研究課題/領域番号 |
19K14648
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松井 一樹 東京大学, 物性研究所, 特別研究員 (20826226)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 核磁気共鳴 / パルス強磁場 / NMR / 緩和率測定 / パルス磁場 / 磁性 / 絶縁体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,まずパルス強磁場下での精密な核磁気共鳴(NMR)緩和率測定手法を開発し,これを物性研究に応用する.NMR緩和率測定は磁場の時間変化に弱いため,これまでパルス磁場中での測定報告は世界的にも全く存在しなかった.このため本研究は極めて独創的な装置開発を狙っており,強磁場物理において革新的な開発となり得る.具体的には,磁場の高速PID制御技術を用いることで緩和率測定に耐える時間安定性を持つ磁場発生を行いNMR緩和率測定を実現させる.この開発したNMR緩和率測定手法をこれまで不可能であった強磁場域において行うことで,強磁場で誘起される強磁場量子相の詳細なスピンおよび電子状態を明らかにしていく.
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研究成果の概要 |
本研究では、これまで困難であったパルス強磁場中の核磁気共鳴(NMR)スペクトル測定の高精度化、およびこれまで実現していなかった縦緩和時間(NMR-T1)の測定のための測定系を開発した。パルス強磁場の最高磁場付近を時間的に高精度に平坦化することで数ミリ秒の準定常磁場を発生させ、それと同期してNMRスペクトル・NMR―T1測定を行う。この準定常磁場を用いることによって、60テスラまでのNMRスペクトル、NMR-T1測定が可能となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パルス強磁場は極めて高い磁場を実現する唯一の方法であり、これまでNMR測定が難しかった強磁場中の物性を明らかにするために活用されることが期待される。また、超伝導磁石は導入費用・維持費が高額であるが、パルス磁場で同程度の磁場を出す場合は非常に安価であり、そういった安価な磁場発生手法でNMR測定ができるようになったという点も意義深い。
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