研究課題/領域番号 |
19K14663
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分13030:磁性、超伝導および強相関系関連
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
鈴木 慎太郎 東京理科大学, 先進工学部マテリアル創成工学科, 助教 (60837508)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 近似結晶 / 準結晶 / 新物質探索 / ハイパーマテリアル / スピングラス / Ce系化合物 / 物質探索 / 量子臨界現象 / 価数揺動 |
研究開始時の研究の概要 |
近年β-YbAlB4において見られたものと似た価数の揺らぎによる異常金属状態がTsai型Yb-Al-Au準結晶において観測され、大きな関心を集めている。こうした現象を理解するために、磁気・価数揺らぎについて、周期・準周期系を包括した統一的研究が必要となる。Ce系Tsai型近似結晶・準結晶や、YbAlB4と同じ局所構造をもった準結晶の物質探索を行い、作成できた際にはその物性測定を行うことにより、実験的に周期系・準周期系における異常金属状態やその周辺状態の統一的理解を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究ではAu-Al-Yb系Tsai型準結晶における異常金属状態の発見に触発され、これまであまり探索されてこなかった局在-遍歴二重性を示す電子状態を金属中で示すCeのような元素を用い物質探索を行った。主な成果として、新たにAu-Ga-Ce Tsai型1/1近似結晶を発見した。本系は広い単相領域と構造自由度を持っているが、系に対する化学的操作を行ってもスピングラスを基底状態として示すことが明らかとなった。これは、Tsai型の持つ構造自由度が化学的乱れとして働くことに由来すると考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
準結晶関連物質の磁性研究にて基底状態の変化を引き起こすものとして認識されていた、組成変化による単原子当たりの価電子濃度の変化は、Ceを用いた場合にもその相互作用の強さを変化させうる。しかし、こうした組成自由度が存在する合金的な性質により化学的乱れが起こり、系の磁気秩序形成を阻害することが明らかとなった。そのため、従来磁性系で行われてきた探索指針とは異なる方向性で物質探索を行うことにより、異常金属状態の探索が大きく進むことが期待される。
|