研究課題/領域番号 |
19K14728
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
森谷 透 山形大学, 理学部, 助手 (40732392)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 放射性炭素年代測定 / 加速器質量分析 / 炭素14 / 太陽活動の11年周期 / 突発的宇宙線急増現象 / 暦年較正曲線 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙線生成核種である炭素14(14C)の樹木年輪中濃度の分析により、過去5万年に遡った地球を取り巻く宇宙環境の変遷を、1年の高時間分解能で、かつ正確な年代で知ることが出来る。本研究では、14C濃度を世界最高となる0.2%の精度で分析できるシステムを、山形大学が国内で初めて導入したダブルイオン源型コンパクト加速器質量分析装置(AMS)を用いて開発し、1) 過去の高エネルギー宇宙線急増現象の探査とその成因解明、2) 太陽圏磁場構造変動に起因する宇宙線異常増加の探査およびそのメカニズム解明を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、山形大学に導入した加速器質量分析装置(AMS)を用いて、古木1年輪毎の14C濃度を高精度に測定し、過去の宇宙線強度変動及び太陽活動の周期依存性を調べることを目的とした。 青森県下北半島で発見された下北埋没木(樹種:アスナロ, 年輪年代:西暦1329-1450年)について、年輪中の14C濃度を正確に評価するため化学的に安定なαセルロースを抽出し、西暦1368-1420年の53年輪を1年輪毎に14C濃度を測定した。その結果、シュペーラー極小期が始まる2サイクル前から11年周期が伸びていることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、加速器質量分析装置(AMS)を用いた樹木単年輪中に含まれる14C濃度の高感度測定から、太陽活動が極端に低下した極小期と呼ばれる時期が度々存在していたことが明らかになってきた。17世紀に発生したマウンダー極小期では、地球環境にも多大な影響を及ぼしたことが知れれていが、極小期発生の詳しいメカニズムはわかっていない。そのため、過去に発生した極小期の発生プロセスやその共通点を探り、太陽活動低下のメカニズムを明らかにする必要がある。 本研究の結果はマウンダー極小期についての先行研究と同じ傾向を示しており、今後の極小期発生の予測において太陽活動の11年周期の伸びが手がかりを与えるものと考えられる。
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