研究課題/領域番号 |
19K14740
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
平木 貴宏 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 特任助教 (40791223)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 原子核実験 / トリウム229 / 放射光 / 極低エネルギー準位 |
研究開始時の研究の概要 |
トリウム(原子番号90)同位体の1つ229トリウムは、原子核の中で唯一レーザーで励起できる8eV程度(真空紫外領域)の第一励起状態を持つ。しかし、このエネルギーの正確な値は分かっていないため未だレーザー励起はなされていない。本研究では核共鳴散乱を用いた独自の手法を用いて第一励起状態からの脱励起光を世界に先駆けて観測し、脱励起光を分光してエネルギー準位を正確に決定することが最終目標である。そのための真空紫外領域で透過率の高い、高密度229トリウム標的を新たに開発する。
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研究成果の概要 |
トリウム229原子核は、第一励起準位が8eV程度と原子核の中で最低である。このため、真空紫外レーザーによりこの準位に励起することが可能で、様々な応用が期待されている。しかしながら、未だにレーザー励起は実現されておらず、また第一励起準位からの脱励起光の観測例もない。本研究では世界初の脱励起光の観測に向けて、放射光施設SPring-8を利用した独自の手法で第一励起準位のトリウム229を生成し、その脱励起光を観測する実験を行った。また232トリウムを高濃度でドープしたCaF2結晶標的の透過率やX線ビーム照射の影響を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在周波数標準で最も精度が良いものは原子の電子遷移を用いた原子時計である。これに対し、トリウム(原子番号90)の同位体の1つであるトリウム229原子核を用いた「原子核時計」の開発に成功すれば、より高精度な時計(周波数標準)が実現できると期待されている。しかしそのために必要なトリウム229原子核の第一励起準位からの脱励起光の観測に成功した例は未だない。本研究では脱励起光探索を高感度で行うためのセットアップを構築し、脱励起光探索実験を遂行し、更に感度を向上させるための手法を研究した。
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