研究課題/領域番号 |
19K14746
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
西村 昇一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特別助教 (20836431)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ミュオン / ミュオニウム / 精密分光 / 超微細構造 / ラビ振動分光 / 精密測定 / エキゾチック原子 / 精密測定実験 / 検出器開発 / 解析手法開発 / シミュレーション / 素粒子実験 / 新物理探索 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、新しく検出器を開発し、さらに、時間微分法と呼んでいる新しい解析方法を開発、適用することで、新物理探索において重要度を増しているミュオニウム超微細構造の実験値を大幅に改善することを目的としている。本研究計画では、初年度に新しい検出器のデザインを決定し、検出器開発に取り掛かり、並行して、新解析手法の開発に取り組む。次年度に実験をを行い、従来型に比べて精度が向上することを確かめ、論文にまとめる予定である。
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研究成果の概要 |
本研究はミュオニウム超微細構造の精密測定実験において、測定精度向上を目指した研究開発を進めてきた。まず、標準的な分光に比べて系統的不確かさの影響が小さいラビ振動分光の開発に成功した。ゼロ磁場では実際に得られた実験データに適応し、その有効性を確認した。また高磁場実験でもゼロ磁場と同様に定式化を進め、高精度化の準備を整えた。 また、ビームに起因する不確かさを調べるための前置検出器の開発を進めた。ファイバーシンチレーターを使った検出器仕様の最適化を進め、実際に検出器を製作した。検出器の性能評価を行って問題なく動作することが確かめられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ここ近年の素粒子物理学において、標準模型を超えた新物理の発見が待ち望まれている。新物理探索の一つの手法として、素粒子の性質を高精度測定して、理論との比較により標準模型の綻びを見つける研究が進められている。電子の仲間である素粒子ミュオンと電子が束縛した状態のミュオニウムは水素原子に類似しており、その超微細構造の精密測定は標準模型の検証と深く関わっている。本研究によってミュオニウム超微細構造の測定精度はさらに向上し、標準模型を超えた新物理探索に貢献している。またその過程で開発したラビ振動分光はミュオニウム以外の短寿命原子分光にも応用が期待される。
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