研究課題/領域番号 |
19K14750
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分15020:素粒子、原子核、宇宙線および宇宙物理に関連する実験
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
木村 創大 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 特別研究員 (10827348)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ガスセル / 多重反射型飛行時間式質量分析 / 精密質量測定 / 不安定核 / X線バースト / 早い陽子捕獲過程 / 原子核質量測定 |
研究開始時の研究の概要 |
爆発的天体現象であるX線バーストを駆動する核燃焼過程、速い陽子捕獲過程の解明には陽子過剰核の質量が鍵となるが必要な実験データが未だ得られていない。鍵となる陽子過剰核の寿命が短く高精度質量測定に従来手法は適さない。そこで短寿命な原子核の精密質量測定に有効で近年実用化した多重反射型飛行時間式質量分析法(MRTOF)を用いる。しかしこれまでの研究から陽子過剰核の測定には特有の困難を伴うことが分かっている。本研究では新たにビーム透過型ガスセルの開発を行うことで実験上の困難を取り除き、MRTOFを用いて陽子過剰核の精密質量測定を行う。
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研究成果の概要 |
陽子過剰不安定核の精密質量測定を目指しビーム透過型ガスセルを行った。理化学研究所にある超電導RIビーム生成分離装置BigRIPSに開発したビーム透過型ガスセルおよび多重反射型飛行時間式質量分析器から構成される装置を設置し、運用試験として中性子過剰不安定核の精密質量測定実験を行った。結果として88,89Asおよび112Moについて初めてこれらの質量を実験的に決定することに成功した。またこの実験から開発を行ったビーム透過型ガスセルについてイオンの引き出し効率に関して多少の課題が残っているものの実用段階に達していることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不安定原子核を用いた種々の精密測定実験にはエネルギーの揃った高純度の低エネルギーイオンビームが必要とされている。しかし不安定核は高エネルギーのイオンとして生成されるためガスセルを用い一度低速イオンに変換する。本研究で開発したビーム透過型ガスセルは大強度の入射ビームに対してその効率を保ちつつ、更にガスセル内での不純物イオンの発生低減を狙ったものであり、不安定原子核を用いた実験の可能性を大きく広げるものである。
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