研究課題/領域番号 |
19K14765
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 九州工業大学 (2020-2021) 金沢大学 (2019) |
研究代表者 |
佐野 圭 九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (70802908)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 光赤外線天文学 / 反射望遠鏡 / 宇宙背景放射 / 黄道光 / 反射光学系 / 金属鏡 / 深宇宙探査機 / 惑星間塵 / 光学設計 / 惑星間望遠鏡 / 分光観測 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の銀河系の外から飛来する光の足し合わせである可視光および近赤外線の宇宙背景放射を測定するためには、その手前にある黄道光を高い精度で除去する必要がある。木星軌道付近の深宇宙では黄道光が大幅に減少することが見込まれるため、惑星探査機に搭載する観測装置による宇宙背景放射の観測は極めて有用である。そこで本研究では、その観測装置を設計し、試作機を製作する。宇宙背景放射の観測に適した観測方法を決定し、望遠鏡を含む光学系全体の設計を行う。また、機械的かつ熱的に観測要求を満たす支持構造を設計し、これらの試作を行う。製作した試作機に対して光学試験と振動試験を行い、深宇宙で観測が実施できることを実証する。
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研究成果の概要 |
宇宙背景放射は銀河系外から飛来する天体放射の積算であり、宇宙創成以来の天体形成史を解明するために重要な観測量である。地球近傍での可視光から近赤外線の波長域においては、惑星間塵による太陽光散乱である黄道光が明るいため、宇宙背景放射測定の不定性が大きいという問題がある。そこで本研究では、将来的に外惑星探査機に搭載し、黄道光が微弱になる深宇宙空間から宇宙背景放射を観測するための望遠鏡光学系の開発を行った。3枚の自由曲面鏡から成る広視野光学系を設計し、アルミニウム合金を切削加工することによって光学系全体を製作した。望遠鏡に平行光を入射することにより、結像性能を評価した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
赤外線による天文観測では、観測装置からの熱放射を低減するために望遠鏡を冷却する必要がある。レンズ光学系の場合、冷却時の熱収縮により光学的なアライメントが崩れ、結像性能が悪化する可能性がある。本研究で開発したミラーのみを用いた反射光学系は、相似収縮によって冷却時にも光学的なアライメントが保たれるという利点がある。今後、宇宙背景放射の観測に限らず、他の赤外線天文観測でも同様の光学系の使用が期待される。
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