研究課題/領域番号 |
19K14793
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17020:大気水圏科学関連
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研究機関 | 埼玉県環境科学国際センター (2021) 静岡県立大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
村田 浩太郎 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 技師 (30740104)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 氷晶核 / バイオエアロゾル / 富士山 / 微生物 / 雲 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の大気科学・気候学における最先端の課題として、大気中微生物の凍結核としてのはたらきが雲物理や降水過程における一要素であるという仮説がある。様々な観測結果から仮説を裏付ける間接的証拠が続々と得られている一方で、全体の99%以上を占める難培養微生物については見過ごされたままである。本研究では、世界有数の高所観測所である富士山測候所において雲中および大気中の難培養微生物細胞を採取し、その凍結核としてのはたらき(氷核活性)を明らかにする。山岳域高所における大気中微生物の観測研究により、大気科学・気候学における雲に関する最先端課題の検証に資する知見を獲得する。
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研究成果の概要 |
上空に存在する雲凍結核(氷晶核)の計測を富士山頂にて実施し、そのうちの生物起源粒子による画分の推定を行なった。はじめに、氷晶核計測装置を自作で構築し、2019年にテスト観測、2021年に本観測を実施した。それにより、夏季の富士山頂周辺の自由対流圏における氷晶核数濃度の特徴的な変動を明らかにすることができた。さらに、富士山表層堆積物の氷晶核としてのはたらきも評価し、表層堆積物由来の鉱物粒子と生物起源粒子が氷晶核数濃度に寄与していることを示す結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自由対流圏高度での大気中氷晶核および生物起源氷晶核の観測は世界的に少なく、とくに東アジアにはほとんどない。本研究により、不足している東アジアでの上空データを補間できる点で学術的意義がある。また、氷晶核の観測データを得ることは、雲物理や降水形成への理解を進展させ、将来的に気象や気候の予測精度を向上させる点において社会的意義があるといえる。
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