研究課題/領域番号 |
19K14807
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17030:地球人間圏科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
高橋 幸士 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (80762252)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 石炭 / 新生代 / 抑圧ビトリナイト / ビトリナイト反射率 / 最高被熱温度 / 熱分解実験 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の木質部に由来する有機物『ビトリナイト』は、石炭や堆積岩中に普遍的に存在する。その光学反射率は、反応速度論的に変化するため、地質体の最高被熱温度推定に用いられてきたが、多くの新生代石炭中のビトリナイトは、中・古生代石炭に比べて反射率の変化速度が遅い。ビトリナイト反射率からの地質体の最高被熱温度推定は、中・古生代のデータに基づく反応速度論が用いられているため、新生代地質体の場合は、適切に温度を推定出来ていない可能性がある。そこで本研究は、新生代石炭の加熱実験によって、新生代ビトリナイトの反射率変化に関する反応速度式を構築し、新生代地質体の最高被熱温度推定法の開発を進める。
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研究成果の概要 |
本研究では、新生代地質体の最高被熱温度をより的確に推定するため、新生代石炭の非含水熱分解実験によって、炭化水素生成能力がVRr値の反応速度論的な変化に及ぼす影響評価を進めた。その結果、炭化水素生成能力が高い石炭ほどVRr値の変化が遅い傾向を示した。本研究によって、VRr値から新生代地質体、特に石炭層の最高被熱温度を推定するための有用な知見を得ることが出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エネルギー資源の安定確保は、最重要課題の一つである。東アジアの大陸縁辺域には新生代石炭が広く分布し、それらの石炭に伴う巨大な石油鉱床が数多く発見されている。本研究成果は、高い炭化水素生成能力を有する新生代石炭において、石油炭化水素の生成・排出が生じる温度や深度の解明に有用であり、より効率的な探鉱活動につながるものと期待される。また、本研究成果は、有機物(炭質物)を用いた高精度な地質温度計の構築にも有用であり、これまで未解明であった地質構造発達史の復元につながるものである。
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