研究課題/領域番号 |
19K14817
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大田 隼一郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70793579)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 地球環境変動 / 深海底堆積物 / 遠洋性褐色粘土 / 年代測定 / Lu-Hf法 / 年代決定 / 同位体分析 / 魚骨片化石 / 同位体比測定 |
研究開始時の研究の概要 |
過去の地球環境変動を知るには,それを記録しながら長期間かけて堆積した海底堆積物の組成を把握し,それを堆積年代値と結びつけることが有効である.ところが,大陸から遠く離れた広大な海域を占める遠洋性褐色粘土と呼ばれる堆積物については,正確な年代値を得る手法が確立されておらず,これが真の地球環境変動記録を知ることを阻んでいる.そこで本研究では遠洋性褐色粘土が魚骨片化石を多く含むことに着目し,それに高濃度で含まれるルテチウムが一定の時間で放射改変することを利用した年代測定法を適用することで,信頼性の高い年代値を得る手法を開発する.
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研究成果の概要 |
遠洋性褐色粘土とは、堆積フラックスの小さな成分からなるため、こうした成分に記録された地球環境変動の微弱な信号を読み解く鍵となるが、堆積年代決定ができないことが問題となっていた。本研究は、遠洋性褐色粘土に含まれている魚の骨の化石に対し、ルテチウムがハフニウムに放射壊変することを利用した年代決定手法を適用することで、遠洋性褐色粘土の年代決定手法を確立することを目的とした。本研究により、遠洋性褐色粘土試料から試料となる魚の骨の化石を効率的に分離する方法が確立されたが、同位体分析の結果、正確な測定値を得るためには、魚の骨の化石試料を10 mg以上確保する必要があることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、ルテチウム-ハフニウム法は、年代の非常に古い岩石に対して適用されることがほとんどであり、比較的若い年代の海底堆積物に適用したのは本研究が世界初である。本研究による試みの結果としては、正確な年代値を得ることはできなかったものの、分析対象となる魚の骨の化石を堆積物試料から効率的に確保する方法と、正確な分析のための試料の要件を明らかにすることができた。こうした情報は、今後の開発の継続と手法の確立にあたって極めて重要な情報となる。こうした情報に基づいて遠洋性褐色粘土の年代値を体系的に決定できれば、真の地球環境変動の解読の鍵となる画期的な年代決定手法となることが期待される。
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