研究課題/領域番号 |
19K14840
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
平田 祐樹 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (90779068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | hBNナノシート / XPS / ラマン分光分析 / マグネトロンスパッタ / 耐熱性評価 / 真空アニーリング / 六方晶窒化ホウ素膜 / マグネトロンスパッタ法 / X線電子分光法 / オージェ電子分光法 / 六方晶窒化ホウ素ナノシート / 物理気相蒸着法 |
研究開始時の研究の概要 |
hBNナノシートは、次世代のナノエレクトロニクスデバイス開発のために現在最も研究されている二次元材料のひとつである。hBNナノシートはまた、最高1,100度という超高温下においても、被コーティング物の酸化を抑制し錆から保護することができ、その合成が大規模に実現されれば幅広い産業での利用が期待できる。hBNナノシートの合成にはこれまでCVD法による合成が盛んに試みられてきたが,多くの場合、毒性・爆発性の原料ガスを用いなければならないという問題があった。そこで本研究では、固体原料を用いたPVD法による安全かつ簡易的な手法で高品質な大面積hBNナノシートを合成する手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
スパッタリングプロセスと真空アニーリングプロセスとを重畳的に実施する「ダイナミックアニーリングプロセス」によって、hBNナノシートとグラフェンの大面積合成に世界にさきがけて成功した。これまで不可能と考えられていた物理的気相成長法による2Dナノマテリアルの合成が実現したことで、「安全、簡易的、かつ大面積に高品質なBCN系ナノマテリアルの合成」という技術的ブレイクスルーが創発されたといえる。さらにhBNナノシートをアモルファスカーボン膜に混入させることにより、耐熱性が大幅に向上し、大気雰囲気下で600 ℃超の加熱に耐えうる膜の作製が可能であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原子層レベルの厚さを有するhBNナノシートは、エネルギーロス最小化に理想的であり、ナノエレクトロニクスデバイスに応用することで、超高速性を実現し、かつ、現在の低消費電力原理限界を突破し、電力消費量の抑制を牽引する大きな効果を有するものと考えられている。hBNナノシートの応用の可能性は、大面積合成技術の進展に大きく依存おり、本研究にで確立した合成手法の提案は社会的意義が大きい。また本研究はさらに、hBNナノシートの化学結合とナノ構造を明らかにし、そして、それを制御することで新たな合成手法の開発を実現しており、そのプロセス内で明らかになった基礎的知見は学術的意義が非常に大きいといえる。
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