研究課題/領域番号 |
19K14875
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分18040:機械要素およびトライボロジー関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
溝部 浩志郎 富山大学, 学術研究部工学系, 准教授 (70727718)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 転がり疲労 / 介在物 / き裂 / 炉ー高周波併用加熱 / 炉-高周波併用加熱法 / 非金属介在物 / き裂進展下限界 / 二重硬化層 / モードⅡ / 下限界応力拡大係数幅 |
研究開始時の研究の概要 |
軸受はもはや統計的に発生する破壊を許さず、定期検査による寿命保証の時代に入りつつある。寿命保障には内部せん断き裂進展下限界(ΔKⅡth)が重要な設計基準となるが、材料内部の停留き裂を観察できないことがボトルネックとなり、ΔKⅡthの直接測定ができなかった。そこで申請者が開発した炉―高周波併用加熱法により二重の材料硬化層を作成し、研究室が特許を持つ転がり疲労試験機を用いて、き裂の全数観察を行う。この組合せにより、転がり疲労下で発生した内部き裂を二重硬化層の間に誘導し、そのうち停留き裂を観察し、解析によりせん断応力を求め、ΔKⅡthを測定することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、高炭素クロム軸受鋼の転がり疲労におけるき裂進展駆動力を測定するため、転がり疲労き裂の停留を観察することにある。そのため、炉―高周波併用加熱法を用いて0.5mm程度の深さに最弱部がある高炭素クロム軸受鋼シャフトを作製した。その後、この試験片を用いて一点荷重転がり疲労試験を行った。その結果、非金属介在物から発生する様々な長さの転がり疲労き裂が観察された。これらのき裂の発生個所は幅広く分布したが、二重硬化層の最弱部ではき裂がより多くより長く成長することが確認できた。これは、発生したき裂の全数観察を通して転がり疲労き裂の発生、進展を制御できたことを意味する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
風力発電機などに使用される大型軸受では、近年20年の実用寿命保証が求められており、軸受メーカーは超長期間、莫大な補償に備える事となってしまっている。このような超長期全数保証の根拠を確率的な現象に求めてしまっては、あまりに経済的な損失が大きい。本研究で得られた成果は破壊力学のき裂停留パラメータに注目したものであり、将来的に軸受の全数寿命保障に対する設計指針を確立することにつながる。
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