研究課題/領域番号 |
19K14908
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
植木 祥高 大阪大学, 工学研究科, 助教 (50731957)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 蒸発 / 微細構造 / 分子動力学 / 固気液界面 / 相変化 / 界面 |
研究開始時の研究の概要 |
蒸発は幅広く工業機器において見られる物理現象であり,伝熱制御や促進は機器の高効率化に直結する. 本研究において,濡れ性の異なるnmスケールの狭隘構造を有する伝熱面上の蒸発現象を対象とする.分子シミュレーションと実証実験を組み合わせて行うことにより,伝熱面のどの構造特性が,どの程度,気液相変化現象に影響を及ぼしているのかを明らかとし,高熱輸送化を可能とする方法を創出することを目的としている.
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研究成果の概要 |
表面に周期的なナノ構造を付与した伝熱面における蒸発現象について古典分子動力学法による数値解析と,実証実験を組み合わせて実施することにより,体系的な理解の獲得を図った. 微細狭隘構造であるナノスリット系を対象とした分子動力学解析を行った.その結果,構造特性や濡れ性が蒸発量や流体分子の蒸発経路に与える影響を明らかにした.また,実証実験においては電子線リソグラフィーを活用した約100 nmの表面周期構造を伝熱面に付与し蒸発に与える寄与を評価した.Wenzel状態におかれた液滴が微細構造から物理ピニングを受け,固気液三相接触線の長さの減少が抑制されるため,蒸発量が促進される実験結果を得た.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
蒸発はヒートパイプやヒートポンプといった幅広く工業機器において重要な物理現象であり,その促進や制御には大きなニーズが存在する.近年の微細加工技術の進展によりナノスケールの表面構造を作製することが実現しているが,ナノ構造が蒸発をどのように,どの程度変化させることが可能であるのか,集成した物理的理解が得られているとは言い難い.分子動力学解析と実験実証の双方からナノスケール表面周期構造が蒸発に与える影響について包括的な理解を獲得した.
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