研究課題/領域番号 |
19K14912
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分19020:熱工学関連
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研究機関 | 山陽小野田市立山口東京理科大学 |
研究代表者 |
海野 徳幸 山陽小野田市立山口東京理科大学, 工学部, 准教授 (70721356)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 沸騰伝熱 / 気泡微細化沸騰 / ナノ構造 / ぬれ性 / サブクールプール沸騰 / 狭隘空間 / 減圧環境 / 冷却技術 / 減圧沸騰 / めっき / 沸騰冷却 / 熱工学 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代電子機器は高性能化・小型化に伴い発熱密度が増加している。高発熱電子機器の故障を防ぐため、冷却性能の高い沸騰冷却技術が注目されている。さらに、通常の沸騰冷却限界を超える高発熱負荷の冷却が可能となる気泡微細化沸騰(MEB)技術がある。実使用環境条件下で安定してMEBを発現させるにはその発生メカニズムを学術的に理解する必要がある。未だ発生メカニズムの詳細は明確でない中、MEBの発生には伝熱面ぬれ性が影響していることが近年明らかになってきた。そこで本研究では、制御されたナノ構造を伝熱面に形成し、表面ぬれ性を任意にデザインすることでMEBと伝熱面ぬれ性との関連性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、伝熱面表面のぬれ性に着目した気泡微細化沸騰(MEB)に関する研究を行った。その中で、伝熱面上にナノ構造を形成し、表面ぬれ性をデザインすることでMEB発生メカニズムの解明を目指した。また、将来の沸騰冷却デバイスの実使用環境を想定して、減圧下狭隘環境におけるMEB発現特性も調査した。その結果、黒クロムめっきコーティングと呼ばれるナノ構造を有する金属めっき膜上においてもMEBが発現することを明らかにした。また、MEB遷移に必要なサブクール度は無酸素銅面と比較して同等であることも明らかにした。この結果を応用することで、減圧下狭隘環境においてもMEB発現が可能となることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、高発熱電子機器の熱による故障を防ぐには、大流量水冷ポンプを使った冷却が主流である。しかし、ポンプ消費電力や水資源の浪費が問題視されている。電子機器の冷却に要する資源の無駄遣いを削減し、世界の持続可能な発展を支えるためには、環境に配慮した新規冷却技術の開発が必須である。本研究は、気泡微細化沸騰と呼ばれる次世代電子機器にも対応可能な冷却技術について、その可用性を広げる研究に取り組んだ。学術的意義として、これまであまり着目されていなかった表面ぬれ性と気泡微細化沸騰遷移との関連を実験的に明らかにした。この研究成果は、省エネルギーかつ高性能な次世代電子機器冷却デバイス開発に応用できると考えている。
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