研究課題/領域番号 |
19K14968
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21010:電力工学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
中川 雄介 東京都立大学, システムデザイン研究科, 助教 (80805391)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 中気圧プラズマ / ラジカル / レーザー分光 / ラジカルフラックス / 酸素原子 / パルス放電 / レーザー計測 / 窒素原子 / プラズマ加工 / 電気機器工学 / 省エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
大気圧プラズマは、様々な対象に化学処理を施すことができるが、化学処理において主要な役割を果たすラジカルの寿命が短いという課題がある。本研究では、大気圧からわずかに減圧した中気圧のプラズマを用いて、ラジカルフラックスの向上と均一処理の実現を図る。事前検討において、中気圧プラズマにより大気圧の2倍以上のラジカルフラックスが得られることを見出した。一方、中気圧プラズマのラジカル生成・反応過程は未解明であり、現状では詳細な理論的解析が困難である。本研究では、中気圧プラズマにおける放電様相及びラジカルの挙動をin-situで計測し、中気圧での均一プラズマ生成機構及びラジカル生成・反応過程を解明する。
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研究成果の概要 |
0.1気圧~0.9気圧の中気圧プラズマを用いて、大気圧プラズマの利点である処理対象の多様性を確保したまま、ラジカルフラックスの向上と均一処理の実現を図る。中気圧プラズマの形状をICCDカメラで観測するとともに、還元系ラジカルであるN原子と酸化系ラジカルであるO原子について、中気圧プラズマにおける挙動をレーザー分光法で測定した。 測定の結果、0.5気圧以下への減圧で比較的均一なプラズマが形成された。またN原子、O原子のいずれも、大気圧から中気圧への減圧でラジカル生成量を維持したまま、寿命が延長することが分かった。N原子およびO原子のフラックスは、0.3気圧で大気圧の1.6倍および3.5倍になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大気圧プラズマを用いた化学反応は生体治療や液中粒子合成、大面積表面処理等に有効であるが、化学反応を司るラジカルの寿命が短いため、無効消費が多いという欠点がある。本研究では大気圧からわずかに減圧した中気圧プラズマを利用することで、ラジカルの生成量を大気圧と同程度以上に維持したまま、ラジカルの寿命を延長し無効消費を抑制できることを科学的に証明した。これにより大気圧プラズマで期待されている様々な適用分野において、プラズマ化学反応の効率が向上し実用化に大きく貢献できる。
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