研究課題/領域番号 |
19K14984
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
野崎 隆之 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (70707497)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パケット消失訂正符号 / 噴水符号 / シフト演算 / 復号アルゴリズム / ランダムアクセスプロトコル / 分散ストレージシステム / 符号理論 / 消失訂正符号 / ストリーミング符号 / 可逆ブルームルックアップテーブル / 密度発展法 / 高速復号アルゴリズム / 誤り訂正符号 |
研究開始時の研究の概要 |
近年のネットワークトラフィックの増大や高精細な動画配信への需要の増加に対応するためには,高信頼なマルチキャスト(1対多同報通信)技術の構築が重要である.マルチキャストで効率的かつ誤りのない情報伝達を実現する噴水符号に対して,研究代表者はこれまでの研究で既存法を凌駕する復号性能を有する符号をシフト演算を利用することで実現した. 本研究の目的は,(1) これまでの研究成果を深化させることで低遅延・高信頼な噴水符号を構成するとともに,(2) 噴水符号で得られた成果をパケット志向の消失訂正符号に一般化し,その成果を他の情報システムに展開・適用することである.
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研究実績の概要 |
消失訂正符号は情報系列に生じた消失を訂正可能な符号であり,インターネットのようなパケット通信システムをはじめとする様々な応用が存在する.本研究では,パケット通信のような複数のパケットを伝送するシステムを仮定している.パケットを符号化する際に,単にパケットを足し合わせるだけでなく,シフト操作を適用した後に足し合わせると,優良な復号性能を得られることがこれまでの研究で明らかになっている.本研究課題では,大きく分けて次の4つの成果が得られた. (1) シフト演算を適用した消失訂正符号を更に改良し,その復号性能を向上させた.特に,噴水符号と呼ばれるレートレスな消失訂正符号においては,外符号だけでなく内符号にシフト操作を追加すると性能が向上することを示した.また,シフト数の分布を詳細に規定することによって,性能が向上することを明らかにした. (2) シフト操作を適用した消失訂正符号では,復号性能と引き換えに復号時間が増大する傾向がみられた.これを改善するために,スケジュール付き復号アルゴリズムを提案し,復号時間を大幅に減少させた. (3) シフト操作を適用した消失訂正符号の考え方を他の情報システムにも適用し,そのシステムにおける性能向上を図った.特に,無線通信におけるランダムアクセスプロトコル,分散ストレージシステムにおける符号化,記録の同期システムの一つであるInvertible Bloom Lookup Table,についてシフト演算を適用することで優良な性能が得られることを示した. (4) 復号遅延制約付きパケット消失訂正符号に対する新たな符号を与え,その性能を明らかにした.
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