研究課題/領域番号 |
19K14992
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21020:通信工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
遠藤 寛之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所量子ICT先端開発センター, 研究員 (50809704)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 光空間通信 / 物理レイヤ暗号 / 大気ゆらぎ / 情報理論的安全性 / 情報セキュリティ / 物理層安全性 |
研究開始時の研究の概要 |
光空間通信は、広がりの狭いレーザ光により送受信者の見通しを確保した上で行われるため、高いセキュリティを持つと言われている。その一方で、大気ゆらぎによって受信強度やビームの到来角が変化することで、ビーム裾からの深刻な情報漏えいが引き起こされる。本研究では、このような情報漏えいに対処するために、送信者が受信者側の大気ゆらぎを推定するプローブ系を構築し、そこから得られたデータから漏えい情報量を推定する技術を開発する。
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研究成果の概要 |
レーザ光やLEDによる光空間通信は、搬送波ビームの広がりが狭く、送受信者間の見通しを確保した上で行われるため、電波無線通信よりも高い安全性を持つとされている。しかし、大気ゆらぎの影響に引き起こされる、見通し外の盗聴者への情報漏えいが安全性の問題として上げられる。 本研究開発では、そのような大気揺らぎによる情報漏えいを予測するための技術の開発を目指して、大気ゆらぎを測定するための装置を開発し、実フィールド環境において大気ゆらぎと漏えい情報量を定量的に関係付けるための実証実験を行った。併せて、大気ゆらぎの情報に応じて、秘匿通信におけるパラメータ最適化を行う技術の提案と実証を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大気ゆらぎが光空間通信における情報漏えいが起こることは、提案者らはフィールド実験により検証していたが、大気ゆらぎの強度との関係の定量化は、大気ゆらぎがランダムな現象であることから困難なものであった。本研究では大気揺らぎを測定する装置を用いることにより、この関係が定量化できる可能性を見出すことができた。これは、情報漏えいと大気ゆらぎの関係のメカニズムを理解する上で重要な知見を与えるものである。この研究が発展していくことにより、電波無線通信では賄いきれない通信の需要に応えるために研究されている光空間通信の安全性をより高めることが可能になる。
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