研究課題/領域番号 |
19K15001
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
細木 藍 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 特任研究員 (30748835)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 光ファイバ水素センサ / 長寿命化 / ヘテロコア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、無機化合物の水素感応物質である酸化タングステン(WO3)が水素吸蔵合金特有の相転移を持たないことに着目し、長期的に運用可能な光ファイバ水素センサを構築する。機械的強度に優れ、容易にエバネッセント波を生じさせることができるヘテロコア光ファイバセンサを用いて、WO3ナノ粒子(NP)と金ナノ粒子(AuNP)を組み合わせた、局在型表面プラズモン共鳴(LSPR)による水素センサを確立する。WO3NPを用いることで、従来のWO3薄膜よりも高感度で応答性能が速い水素センサの実現が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究では、長期的に運用可能な光ファイバ水素センサを開発することを目的とした。酸化タングステンナノ粒子と白金ナノ粒子を組み合わせたヘテロコア光ファイバ水素センサを構築した。試作したセンサの水素ガスと窒素ガスに対するスペクトルを計測したところ、波長500nm付近と波長530nm付近にそれぞれ光損失ピークが生じることを確認した。さらに、このセンサを空気中で保管し、数か月後に再計測したところ、応答性能が劣化しないことを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水素社会の実現に向けて、安全で実用的な水素漏洩モニタリングシステムを構築するには、高速な応答性、広範囲な多点計測、安定した長期計測が可能な水素センサが重要となる。現在、様々なタイプの水素センサが提案されているが、長期的な運用を目指す場合に必要となるセンサの劣化性能や耐久性に関する報告例は少ない。本研究では、無機化合物の水素感応物質である酸化タングステンが水素吸蔵合金特有の相転移を持たないことに着目し、長期的に運用可能な水素センサの開発を目指した。成果として、センサの応答速度に課題は残ったものの、酸化タングステンナノ粒子を用いることで応答性能の劣化抑制に繋がることを見出した。
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