研究課題/領域番号 |
19K15028
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山本 圭介 九州大学, 総合理工学研究院, 助教 (20706387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ゲルマニウム / トンネルFET / Ge-on-Insulator / 移動度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、大規模集積回路の超低消費電力化を目指し、代表者がこれまでに構築してきた独自技術である「金属/(ゲルマニウム)Ge接合の障壁の広範制御」を活用した、非対称メタル・ソース/ドレイン(S/D)をベースとするGe Steep Slope トンネルFET(TFET)を実証する。この構造は、一般的なpn接合では不可能な急峻なソース/チャネル構造が実現でき、室温での低電圧動作が可能となる。既知の課題を解決する技術を新たに開発(Ge-on-Insulator(GOI)基板の高品質化、不純物偏析による極薄高濃度領域形成)し、現行CMOSの半分(~0.5 V)の低電圧・低消費電力駆動を実証する。
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研究成果の概要 |
本課題では、集積回路の超低消費電力化に向けて、新動作原理トランジスタである「Geトンネル電界効果トランジスタ(FET)」実現に向けた基盤技術の構築を行った。具体的には「(1)高品質Ge-on-Insulator(GOI)作製技術の確立」「(2)高品質ゲートスタックの低温形成」「(3)電流駆動力の改善に向けたデバイス構造の検討」に取り組んだ。それぞれの項目に対して、「(1)エッチバック法によるGOI作製プロセスの構築」「(2)Yの低温加湿酸化法による高品質ゲートスタックの実現」「(3)リセスチャネル構造による電流駆動力の1桁向上」の成果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
情報通信需要の爆発的増加に伴い、電子機器を構成する集積回路の超低消費電力化が切望されている。本課題はこの社会的要請に応えるべく、低消費電力を達成可能なTFETの実現を目指した研究である。Si基板上への集積化を念頭に置いてIV元素であるGeを対象材料としており、将来的な実用化も意識している点で社会的な意義も大きい。 代表者のオリジナルである金属/Ge接合の電子・正孔障壁技術をキャリア注入に応用している点が特徴の一つである。また、本研究で得られたGOI作製・低温ゲートスタック・キャリア注入の高効率化は、TFET以外のGe応用デバイスへも展開が可能で、この点でも学術的・社会的意義を有していると考える。
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