研究課題/領域番号 |
19K15033
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
平石 雅俊 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 特任助教 (80712653)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ミュオンスピン回転緩和 / DFT / 水素 / ミュオンスピン回転法 / 第一原理計算 / 希薄水素 / ミュオン / エレクトライド / 周波数シフト / ナイトシフト測定 / 不純物水素 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、半導体デバイスや太陽電池などの実用デバイスとなりうる候補物質において、その特性や安定性について、ごく微量の不純物水素との関連が議論されている。本研究では、様々な実用材料物質における希薄極限水素の電子状態を調べることを目的としている。水素の基本的な情報である荷電状態 (H+, H0, H-) に焦点をあて、水素の軽い同位体であるミュオンを用い、局所的な電子状態に敏感な手法である高磁場下ミュオンナイトシフト測定と第一原理計算を組み合わせ、その荷電状態を決定し、実用材料中における水素の電子状態に関する知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
半導体や太陽電池材料などの機能性物質において、ごく僅かに含まれる不純物水素がその特性に影響を与えることが知られている一方で、不純物水素の電子状態を直接調べることは極めて難しい。本研究では、さまざまな機能性物質のミュオンスピン回転・緩和実験を行い、擬似水素としての素粒子ミュオンの電子状態を、第一原理計算との組み合わせによって明らかにした。エレクトライド物質LaScSi, 電池・触媒物質β-MnO2、太陽電池材料CH3NH3PbI3において、希薄極限にある擬似水素としてのミュオンの格子間位置を精度良く決定することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ミュオン (Mu) による不純物水素のこれまでの研究は、実験的に様々な情報を得やすい中性状態 (Mu0) が観測される物質がほとんどであったが、本研究では荷電状態のミュオン (Mu+, Mu-) に着目し、その電子状態を調べる手法を開発することに成功した。かつ、本研究での対象物質は、高効率のアンモニア合成触媒物質、電池、太陽電池材料として研究されている物質であり、その特性を左右しうる不純物水素の電子状態を調べることは、学術的意義だけでなく産業界や社会への還元が期待できる。
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