研究課題/領域番号 |
19K15035
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
岡 博史 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究員 (10828007)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ゲルマニウムスズ / 固相成長 / フラッシュランプアニール / MOSFET / CMOS / 固相結晶化 / トランジスタ / 溶融結晶化 / ナノワイヤトランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ゲルマニウム(Ge)に同じくIV族の半金属であるスズ(Sn)を一定以上(約10%)添加することでバンド構造が間接遷移型から直接遷移型に変調し、キャリア移動度が劇的に向上することが理論予測されている。 しかしGe中のSnの熱平衡固溶限は1%以下と低く、またSnの低い融点が混晶材料設計の大きな障害となっている。本研究ではこれらの課題に対し、急速溶融結晶化をベースとしたSn濃縮添加技術を提案し、シリコン(Si)プラットフォーム上での直接遷移型GeSnナノワイヤトランジスタ創製とSn組成・歪み量に対する電子物性の系統的評価を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究ではミリ秒の急速高温加熱が可能なフラッシュランプアニール(FLA)を用いた高Sn組成GeSn薄膜の形成とGeSn n-MOSFETの高性能化を実証した。FLAを用いたアモルファスGeSnの固相成長では結晶成長過程でのSn拡散をほとんど完全に抑制可能であり、固溶限を遥かに上回る10%以上のSn導入を達成した。さらにソース/ドレイン不純物活性化にFLAを用いることで高品質なpn接合形成に成功した。これにより高Sn組成GeSn n-MOSFETのオン電流向上とスイッチング特性の改善が見られ、高移動度GeSn-CMOSに向けたFLAプロセスの有用性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
GeSn MOSFETのチャネルSn高濃度化を目指す上で、Snの低い固溶限(1%)が大きな技術的課題であった。本研究ではミリ秒の急速加熱が可能なFLAプロセスを用いることで、Snの固溶限界を超えたGeSnチャネルの実現が可能であることを実証した。高移動度CMOSチャネルに向けた薄膜成長手法の新しいアプローチである。
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