研究課題/領域番号 |
19K15057
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21060:電子デバイスおよび電子機器関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
宮嶋 茂之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 研究員 (50708055)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 超伝導 / 単一磁束量子回路 / 窒化ニオブ / 集積回路 / ジョセフソン接合 |
研究開始時の研究の概要 |
Nbを用いたジョセフソン接合(JJ)から構成される単一磁束量子(SFQ: Single Flux Quantum)回路は数十GHzで動作するデジタル回路であるが、動作に4 K以下の温度が必要であり、冷却コストを含めたエネルギー効率で半導体技術に対して大きな優位性を確保するためにはさらなる高温での動作が望まれる。最近、超伝導転移温度が16 KであるNbNがTiNをバッファ層として、これまで困難であったSi基板上での高品質接合の作製が可能になるという大きなブレークスルーがあった。本研究ではこの技術を適用し、10 K動作が可能なNbN-SFQ回路の基盤技術の確立を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では10 Kという温度で動作する超伝導エレクトロニクスの基盤技術の確立を目指して、超伝導材料として窒化ニオブ(NbN)を用いたジョセフソン接合に基づく単一磁束量子回路の開発を行った。そのためにまずは作製プロセスの開発と設計環境の構築を行った。設計環境はこれまでのNbを用いたジョセフソン接合の設計環境をNbNベースのジョセフソン接合のパラメータに変更することで数値計算、回路レイアウト作成まで出来る環境を構築した。次に作製プロセスについて、NbNの多層構造において絶縁が不十分であることによる層間でのショートが多発し、評価まで至らなかった。現在ではその原因を特定しており、再度作製を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
10 Kエレクトロニクスを実現するための新しい回路の設計環境の構築を行い、作製を試みた。結果としては回路の動作評価までには至らなかったが、新しいプロセスを導入した際の回路設計上の問題点等が明らかになった。また、位置精度は0.5μmで作製できているため、現在の作成プロセスの問題点が解決すれば10 Kで動作するNbN-SFQ回路は実現できると考えられるため、本研究を通して10 K動作の超伝導エレクトロニクスの実現に大きく近づいたと考えられる。
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