研究課題/領域番号 |
19K15072
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
五井 良直 京都大学, 工学研究科, 助教 (30831359)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 構造物ヘルスモニタリング / 損傷検知 / ベイズ統計 / 異常検知 / 橋梁 / 振動計測 / 構造ヘルスモニタリング / 振動特性 / 機械学習 / 季節変動 / 維持管理 / 橋梁振動 / ベイズ推論 / 道路橋 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、道路橋の遠隔的な異常検知技術の実現を目指して情報集約および意思決定過程の最適化を通じた実践的な事例研究を目的とする。上記目的の実現にあたり常時振動計測による異常検知に焦点を絞り、不確実な確率過程を伴う橋梁の振動現象についてベイズ統計による定式化を行うことで、意思決定に伴う一連の情報処理過程を統計的な観点から合理化する。具体的には、①長期計測時の統計的異常検知を目的とした機械学習技術の開発、②現地実験および有限要素解析に基づく振動特性と損傷形態との対応付け、③通信技術の制約を考慮したデータ集約方法の検討、④異常検知システムの開発および実橋梁における検証試験の4点について検討を行う。
|
研究成果の概要 |
長期計測時の統計定期異常検知を目的とした機械学習について,事後確率を利用した特徴抽出に主眼をおいた異常検知を実施した.温度変化については,事後確率により変動の不確実性を再現する学習を試みた. 損傷に伴う振動特性の変動の傾向や規模などを把握するうえでの知見を,鋼トラス橋,鋼桁橋,標識柱,鋼箱桁などの現場実験を通じて蓄積した.また,計測値から振動特性の不確実性を定量化する方法を提案した. データ収集方法の提案と検証については概ね当初の予定通り進行した.また,必要な計算手順を明記したフロー図を作成し第三者が提案手法を適用できる基礎づけを行った.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
振動特性に基づく異常検知の試みは既往の研究において数多くなされてきたが,特性を推定しそれらを比較する過程で技術者の経験が求められ,その手順は十分に一般化されてこなかった.このため,異常検知の可否は構造同定や統計の手法に依存する結果となり,これまで実務での振動モニタリングの利用は限定的であった. 本研究の成果により異常検知の手順を一般化することで,主観的な判断に基づく誤検出および見落としを避けやすくなると期待される.また,自動化により多数の橋梁についてスクリーニングを実施することが可能となる.以上より異常検知技術の社会実装において意義のある研究成果が得られたと考えられる.
|