研究課題/領域番号 |
19K15083
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
榎本 忠夫 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (70727180)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 泥岩 / スレーキング / 三軸液状化試験 / 微小ひずみ領域における剛性 / 骨格構造の劣化メカニズム / S波速度 / 排水・非排水三軸圧縮試験 / 一次元圧縮試験 / 剛性 / 非排水三軸圧縮試験 / せん断剛性 / 室内土質試験 / 動的特性 / 地震時挙動 |
研究開始時の研究の概要 |
泥岩は、乾燥と湿潤の繰返し作用によって風化が促進され徐々に細粒化し(スレーキング現象)、生じた局所的な緩みが盛土の骨格構造を劣化させ地震による崩壊を引き起こす。2009年の駿河湾地震による東名高速道路盛土の崩壊はその典型的な例である。 本研究では、室内土質試験により、泥岩を含む土のスレーキングに伴う骨格構造の劣化メカニズムを検討するとともに、その劣化が土要素や盛土の動的挙動に及ぼす影響を定量的に評価する。また、泥岩を含む盛土の骨格構造の健全度を評価できる指標を検討する。
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研究成果の概要 |
泥岩粒子を含む砂の浸水やスレーキングに伴う骨格構造の劣化が砂の動的挙動や剛性に及ぼす影響を定量的に評価するため、系統的な三軸液状化試験を主として行った。その結果、砂の液状化強度、液状化後の非排水強度、剛性は泥岩粒子含有率の影響を大きく受けること、泥岩粒子をわずかに含んでいてもこれらの強度は大きく低下することを明らかにした。また、泥岩粒子の浸水やスレーキングにより生じる砂の骨格構造の劣化に関するメカニズムを解明した。さらに、S波速度をモニタリングすることで泥岩を含む盛土の骨格構造の健全度を評価できる可能性があることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
泥岩に関する既往の研究は、泥岩粒子集合体の変形特性や静的な強度特性を解明した事例が非常に多かった。本研究では、泥岩粒子を含む砂の液状化特性、液状化後の強度変形特性、微小ひずみ領域における剛性、骨格構造の劣化メカニズム等を明らかにしたことで、新たな工学的知見を創出した点において学術的意義がある。また、破砕した泥岩は浸水により強度が大きく低下するが、浸水の影響を受けなければ比較的良い地盤材料であることや、環境に配慮して破砕泥岩を積極的に活用する際の注意事項を示した点に社会的意義がある。
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