研究課題/領域番号 |
19K15089
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22030:地盤工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古川 全太郎 九州大学, 工学研究院, 助教 (70735985)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 植生生体電位 / 表層崩壊 / 一面せん断試験 / 植生 / 生体電位 / 根系による地盤補強 / 斜面災害 / 土のせん断強さ / 土のせん断 |
研究開始時の研究の概要 |
斜面の表層崩壊の人的被害をゼロにするソフト対策として,自然の力を活かした表層崩壊バイオアラームを開発する.本アラームは,植生が外的刺激 (すべり面でのせん断力や引張力) を受けたときの生体電位の変化を利用して地盤変状をモニタリングし,早期警報の発令に資するものである.本申請期間において,室内一面せん断試験を行い,根にせん断力が作用する際の電位変化と周波数特性を明らかにする.さらに,従来の土の破壊基準に樹木や植生の根系の生長による地盤補強効果を加えた新しい破壊基準を提案する.実験結果を統計的に評価し,信頼できるアラーム閾値を提案し,斜面の危険度をリアルタイムに評価できるシステムを提案する.
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研究成果の概要 |
豪雨や地震により地すべりが起こる可能性がある斜面に対し,斜面に生息する植生に電極を設置し,生体電位をモニタリングすることにより,地すべりの早期発見に資する「表層崩壊バイオアラーム」の開発を目的とした研究を行った.植生を含む一面せん断試験および模型斜面の加振実験の結果から,地盤のせん断 (=地すべり) が起こる際の土の強さと,せん断刺激を受け変動する生体電位の関係の定量化を行った.また,生体電位の変動から地盤のせん断強さを推定する手法を構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した「表層崩壊バイオアラーム」は,将来的に山間地の植生に適用し,植生に設置された電位の変動をモニタリングすることで,自然の力 (植生のバイオセンサー機能) を活かして早期警報を発令し,斜面災害,特に表層崩壊による人的被害を軽減できる画期的な手法となり得る.加えて,「土のせん断強さの評価」という地盤工学的な観点と,「刺激による植生のバイオリズムの変動」といった植物生理学的観点を融合し,革新的な知見を見出したことが,本研究課題の学術的意義および新規性といえる.
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