研究課題/領域番号 |
19K15127
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
丁 青 中央大学, 研究開発機構, 機構助教 (70837476)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | メソ粒子 / 膜目詰まり / ゼータ電位 / バイオポリマー / 凝集剤 / 膜ファウリング |
研究開始時の研究の概要 |
浄水処理で多用される凝集技術では、凝集後に残存する微小な粒子(20~500 nm;メソ粒子と定義)の制御が課題となっている。メソ粒子が荷電中和される条件には最も後段の膜ろ過への影響が軽減されることが解っている。しかし、国内で市販されている凝集剤PAClは、メソ粒子を酸性pH側で荷電中和できるが、中性pHにおいてはどれだけ凝集剤を注入しても荷電中和できないことが明らかになっている。このことから、メソ粒子の荷電中和には既存の凝集理論で説明できないメカニズムがあると考える。そこで本研究では、メソ粒子の構成成分と物理化学的特性、および凝集剤特性がメソ粒子の物理化学的特性に与える影響について検討する。
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研究成果の概要 |
浄水処理で多用される凝集技術では、凝集後に残存する微小なメソ粒子(20-500 nm)の制御が課題となっている。メソ粒子が荷電中和される凝集条件は後段の膜ろ過や砂ろ過の負荷を軽減できるが、国内の市販凝集剤ポリ塩化アルミニウムは、浄水場で用いられている中性pHにおいてはメソ粒子を荷電中和できない。 本研究で検討した結果、凝集剤の添加量よってメソ粒子の構成が異なることが分かった。中性pHにおいてメソ粒子が荷電中和できない原因は、原水または凝集剤由来のメソ粒子はどちらも負に帯電するためであることが明らかになった。今後は、メソ粒子を荷電中和できる中性pHにおいても正に帯電する凝集剤の開発が必要となる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、メソ粒子の構成成分・物理化学特性を検討し、それらの凝集機構は既存の凝集機構とは異なることを示した。この結果は、既存の凝集理論を拡張し、メソからミリまでのすべての粒子を包含するような、新しい凝集理論の確立に有意義なものである。また、本研究の成果は、浄水処理における凝集-砂ろ過/膜ろ過プロセスの制御に参考になる。
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