研究課題/領域番号 |
19K15131
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
吉川 美穂 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (90563734)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | バイオレメディエーション / クロロエチレン類 / 土壌 / 吸着 / グルコース / 発酵 |
研究開始時の研究の概要 |
国内に潜在する十数万ヶ所の揮発性有機化合物(VOCs)による地下水・土壌汚染の殆どは、クロロエチレン類による汚染である。微生物の分解能を利用した浄化に関する研究は低コスト・低環境負荷などの観点から盛んに行われてきているが、浄化技術の普及には至っていない。その最大の原因は土壌粒子の吸着性により汚染物質がトラップされ、分解微生物が利用できないことにある。本研究では、クロロエチレン類を唯一完全分解・無毒化できるデハロコッコイデス細菌と共生可能なグルコース発酵微生物による、土壌構造の変化と汚染物質の溶出促進効果という新規視点で土壌の浄化促進を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究ではクロロエチレン類を完全浄化できる細菌Dehalococcoidesと共生可能なグルコース発酵微生物による汚染物質の溶出促進効果で、土壌に吸着しているクロロエチレン類の浄化促進が可能であるかを検証した。土壌からのクロロエチレン類溶出量の測定方法やクロロエチレン類の反応速度論的解析を検討し、微生物による土壌に吸着したクロロエチレン類の浄化を評価する手法を開発した。また、6種類の土壌および3種類の微生物共生系を用いて土壌に吸着しているクロロエチレン類を溶出・脱塩素化するためのpHや炭素源の最適条件を検討し、同じ微生物共生系を用いても土壌の種類により反応速度が大きく異なることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物による力を活用したクロロエチレン類の浄化に関する研究は低コスト・低環境負荷などの観点から盛んに行われてきているが、浄化技術の普及には至っていない。その最大の原因は土壌粒子へ汚染物質がトラップされ、微生物が利用できないことにある。しかし、クロロエチレン類の微生物による浄化に関する既往の研究は水を媒体としたものが多く土壌を媒体としたものはほとんどなかった。本研究は、同じ微生物共生系を利用しても土壌の種類により大きく浄化速度が異なることを明らかとした点に意義がある。また、土壌存在下での浄化を促進するための諸条件を解明することができ、この成果を基礎データとして浄化技術の開発に繋げたい。
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