研究課題/領域番号 |
19K15158
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室) |
研究代表者 |
堀川 真希 熊本県産業技術センター(ものづくり室、材料・地域資源室、食品加工室), その他部局等, 研究参事 (50588465)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | セルロース / PEDOT / 遮熱ガラス / セルロースナノファイバー / 遮熱材 / 遮光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究開発では、建物や自動車などの透明性が要求される窓材において、太陽光の赤外線(熱線)を高効率に遮断する遮熱中間膜を設計し、合わせガラスを作製することにより、省エネルギー化を図ることを目的とする。既存の中間膜は、金属微粒子を樹脂に分散させて遮熱が行われていたが、無機微粒子の添加量を増やして日射透過率を下げると可視透過率が低くなるという問題があった。本研究では、透明性を保ちながら、赤外線を吸収する特性を有する導電性セルロースナノファイバーを遮熱材として樹脂に混ぜ合わせて、新しい遮熱中間膜の開発を行う。合わせガラスを作製し、日射透過率の測定などにより遮熱性能の評価を行う。
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研究成果の概要 |
本研究ではPEDOT/s-CNFを熱線吸収材として、遮熱ガラスの中間層に用いた。pHを変えてEDOTの重合を行い、pHが低い程、導電性が向上することを確認した。PEDOT/s-CNF薄膜は、UV-vis領域(380-700 nm)では吸収率は変わらなかったが、NIR領域(700-2000 nm)では導電性の向上に伴い吸収率が増加した。PEDOT/s-CNFの遮熱ガラスを用いて、擬似太陽光照射を行なったところ、PEDOT/s-CNFは温度上昇を抑制して、優れた断熱効果を有することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
既存の遮熱ガラスはレアメタルが使われているが、本研究の遮熱ガラスはレアメタルを使わずに、天然由来のセルロースナノファイバーを原料として開発された。開発した遮熱材は高透明性かつ高熱線吸収性を併せもっており、これら特性を活かして遮熱ガラスを作製することができた。擬似太陽光による照射試験では、PEDOT/s-CNF遮熱ガラスによる温度抑制効果も確認され、今後はZEH住宅等への導入も期待されることから、社会的意義は大きい。
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