研究課題/領域番号 |
19K15190
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23040:建築史および意匠関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
角野 渉 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 客員研究員 (30708128)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | コンバージョン / デザイン手法 / 港湾都市 / 都市文化 / 東アジア / 上海 / 釜山 / 台南 |
研究開始時の研究の概要 |
本応募研究は、都市の更新技術として重要な意味を持つ建築コンバージョン(用途変更を伴う建築改修)について、急激な発展を遂げている東アジアの中でも、我が国と関係の深い中国、台湾、そして韓国において、近代から現代にかけて都市構造が大きく変化してきた港湾都市を対象とする。そして、これらの都市における建築コンバージョンの事例調査およびそのデザイン手法の分析に基づき、建築の再利用と都市発展との関係を考察するものである。 これにより、今後の我が国の都市発展における既存建築ストックの活用に際した建築コンバージョンという手段を、都市戦略上にも活かせるものとして位置付け、今後の発展に寄与することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は東アジアの港湾都市である中国の上海、韓国の釜山、台湾の台南を対象に、建築コンバージョン事例の実態調査に基づき、その既存建築に関する情報や建築コンバージョンにおけるデザイン手法の分析を行うことで、コンバージョン建築がどのように都市文化を継承しているか考察を行った。 その結果、上海では17事例、釜山では9事例、台南では16事例のコンバージョン建築事例を抽出し、現地調査、分析を行い、都市発展史や産業構造などの都市的背景とを重ねて考察することで、都市文化の継承に資するコンバージョンデザインの指標として、歴史意匠性、追憶誘発性、経年性、空間転用性、構造耐久性、という5つの指標により体系化した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、都市を更新する際の都市文化を継承する手段として、従来のスクラップ&ビルドによる刷新ではなく、用途を変えながら継続的に建物を利用し続ける建築コンバージョンに着目したもので、そのデザイン手法を調査・分析したデータの蓄積はこれまでに進んでいるが、そこから都市文化を継承するための5つの価値指標を導き出し、体系化できたことに学術的意義がある。 今後、都市の歴史や文化を継承しながらも建物を更新していくために、良質なコンバージョンデザインの知見が求められている。その都市文化の継承という視点から価値指標を導き出し、体系化する知見が獲得されたことは、今後の都市更新に資する社会的意義を有するものである。
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