研究課題/領域番号 |
19K15204
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長崎 陽 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60823747)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 磁気クローク / 超電導磁気シールド / 高温超電導 / 放射線シールド / 宇宙応用 |
研究開始時の研究の概要 |
宇宙空間には宇宙放射線が飛び交っており、宇宙飛行士の被曝、搭載機器の劣化を防ぐために、放射線シールドの研究開発は宇宙探査における最重要課題の一つである。近年、超伝導コイルを用いた宇宙機用放射線シールドの研究が盛んに行われているが、超伝導コイルの磁場が宇宙飛行士や搭載機器に悪影響を及ぼすことが懸念されている。本研究では、上記磁場の遮蔽を目的として、超伝導体と強磁性体シリンダーから構成される磁気クロークの多層化に取り組み、その磁気遮蔽能力の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、磁気遮蔽にとって理想的な超電導バルク体による遮蔽電流分布から着想を得た無絶縁型多層超電導シールド・磁気クロークを提案し、磁気遮蔽率向上を達成した。従来の絶縁型超電導シールドに対して層間絶縁を採用しないことで層間にも電流パスが生じ、遮蔽電流が分布する。実際に絶縁型と無絶縁型の超電導シールドの遮蔽特性を実験的に比較し、無絶縁型は絶縁型と比較して遮蔽率が非常に高くなることを実証した。また、多層化した無絶縁型超電導シールドを制作し、シールド中心部において99.9 %以上の遮蔽率が達成可能であることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高い遮蔽率を達成した本研究の磁気遮蔽システムを大型し、放射線・磁気クロークシステムが実現すれば、同システムは今後の人類の宇宙空間における活動のインフラとなることが期待される。更に、宇宙機のみならず、磁気遮蔽を必要とするMRIや量子コンピュータ、磁気環境の影響が大きい生物実験等、様々な磁気関連分野に応用可能であり、非常に社会的意義が高い。また、超電導線材を用いた磁気シールドの遮蔽特性および多層構造化の可能性を明らかにしたことは、電磁気学を含む学術分野においても非常に有意義と考える。
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