研究課題/領域番号 |
19K15234
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
高橋 千織 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 海上技術安全研究所, 研究員 (40399530)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | CO2回収 / 凝華 / 船上CCS / CCS / ガスエンジン / LNG / メタンスリップ |
研究開始時の研究の概要 |
船舶から排出されるCO2を代表とする地球温暖化ガス(GHG)や NOx, SOx, PM 等の削減に向け、ほとんどの大気汚染物質を同時に削減可能な手段としてガスエンジンに注目した。ただし、LNG利用の場合、原理上CO2削減効果は20~25%程度にとどまること、また、リーンバーン方式のガスエンジンでは、CO2より地球温暖化係数の大きいメタンスリップの問題があるため、GHG削減効果には限界があることが知られている。本研究では、ガスエンジンを使用した場合のGHG削減効果を向上させるため、ガスエンジン排ガスからのCO2及びCH4回収及び再利用技術を船上で実用化するための基礎的な研究を行う。
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研究成果の概要 |
LNGの利用は水素・アンモニア利用までのブリッジ燃料として注目されているが、従来燃料に比べてCO2削減率は25%程度と見込まれるため、船上でのCO2回収(OCCS)の実現が望まれる。本研究では、経済性や安全性も考慮して、冷却・圧縮によるCO2の凝華を利用する技術をガス燃料船に適用する方法について検討した。ガスエンジンから排出されるCO2の60%回収目標を達成するための回収装置構成のうち、舶用のガスドライヤー等の調査を行ったり、実際に小型発電機用エンジンの排ガスからのCO2回収実験を行って、ドライアイスとして回収できることを確認したが、当初の予定していた凝華プロセスによる試験は実施できなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LNGを利用したガスエンジンはGHG削減のためのブリッジ燃料として注目を集めており、短中期的に利用可能に最も現実的な選択肢と考えられている。ガスエンジンの利用は、大気汚染物質(SOxやブラックカーボンなど)も大幅に削減可能である。ただし、CO2排出率については最大でも25%程度の削減であり、かつCO2の25倍の地球温暖化係数を持つメタンスリップの問題が懸念事項として挙げられている。これらの課題を改善するため、舶用ガスエンジンの排ガスからのCO2、CH4の回収を検討した。本技術により、将来的に大気中CO2と自然エネルギーを利用した合成メタンが普及すれば、ネガティブエミッションも可能である。
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