研究課題/領域番号 |
19K15259
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山下 啓 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (00772633)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 津波 / 土砂移動 / 市街地氾濫 / 東日本大震災 / 気仙沼湾 / 現地調査 / 数値シミュレーション / ポーラスモデル / 2011年東北地方太平洋沖地震津波 / 地形変化 / 底質 / 海底基盤 / 津波移動床解析 / 市街地氾濫解析 / 津波土砂移動 / 都市型津波 / 津波脆弱性 / 高知県 |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災では,巨大津波による地形変化や市街地特有の都市型津波により被害が拡大した.複合的で複雑な津波被害を踏まえたリスク評価の重要性が高まる中,土砂移動計算で核をなす底質の現地データは乏しく,建物破壊をも伴う津波評価法には課題が残る.本研究では,地形変化を伴う津波氾濫ベンチマークとして世界的に重要な気仙沼市の現地データを整備し,建物破壊及び土砂移動の導入による従来になく高度で実用的な解析モデルを提案する.そして,南海トラフ巨大地震で津波リスクが最も高い高知県を対象に津波脆弱性を再評価する.本研究は,津波土砂移動氾濫解析モデルの世界的な標準を確立し津波脆弱性評価の深化に貢献すると期待される.
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研究成果の概要 |
本研究は,津波による土砂移動や市街地特有の局所性が強い津波ハザードの評価手法を高度化して被害メカニズムに関する理解を深めることを目的とする.まず,東日本大震災の巨大津波によって大きく海底が削られた宮城県気仙沼湾を対象に海底の基盤岩分布や底質の実態調査を行ない,調査で得られた基盤岩分布や地質データを踏まえて津波土砂移動解析モデルを検証した.また,建物倒壊が進む中での津波氾濫を効果的に解析する数値シミュレーション手法を提案する他,土砂移動により密度変化を伴う混合流体の影響を考慮して津波土砂移動モデルを高度化した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気仙沼湾狭窄部の地形や底質環境の実態と海底基盤岩分布を現地調査で把握し,調査結果を踏まえた検証計算より,基盤岩分布の考慮が津波土砂移動モデリングの精度向上に重要な役割を果たすことを示した.また,建物群とそれらの倒壊過程を考慮した津波氾濫解析モデルを提案し,局所的な津波挙動や建物倒壊に伴う流況変化に対して合理的な解析結果を得た.さらに,土砂移動を伴う混合流体の影響を考慮した津波土砂移動モデルを開発し,気仙沼地域における津波被害に及ぼした土砂移動影響の知見を得た.本研究は,津波土砂移動氾濫のハザード評価手法を高度化し,被害メカニズムへの理解を深めて合理的な被害軽減策の立案に貢献すると期待される.
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