研究課題/領域番号 |
19K15334
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山岸 洋 筑波大学, 数理物質系, 助教 (40824678)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 多孔質結晶 / 分子ふるい / 分離膜 / 分子結晶 / 分子間相互作用 / 分子性結晶 / 溶媒効果 / クロミズム / レーザー発光 / センサー / ラジカル / 光反応 / 疎溶媒相互作用 / ヒドロクロミズム / デンドリマー / 安定ラジカル / フォトクロミズム / ホストゲスト / 物理蒸着 / 分子ふるい膜 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、既存の高分子膜を置き換える次世代分離膜の開発が盛んに行われている。特に、直径数オングストロームほどの孔をもつ多孔質結晶からなる薄膜(分子ふるい膜)が理想的な膜として注目を集めているが、溶液中での結晶成長といった手法によって作られる従来の膜には結晶の配向や結晶粒同士の隙間といった非理想的な欠陥が生じてしまい、性能が大きく損なわれていた。そこで本研究では、応募者が最近見出した多孔質結晶を物理蒸着することで、欠陥のない緻密な構造をもつ分離膜の合成に挑む。
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研究成果の概要 |
分子性の多孔質結晶とは、有機分子がお互いに凝集することで構築される空隙を持った結晶材料のことである。研究者は2018年に、分子性多孔質結晶の中でも最高の安定性をもつ材料を見出している。本課題ではこの材料をプラットフォームとして、多孔質結晶構造が生成するメカニズムにおける溶媒効果の検証、多孔質結晶内部における光化学反応性と不安定化学種についての探索、ハ イドロクロミック特性を示す新たな分子性結晶材料の発見などに成功した。当初の目標であった分離膜実現には未だに至っていないが、分子性多孔質結晶の基礎的な知見の蓄積と全く新しい実用的可能性を見いだしており、当初の想定以上の成果を挙げられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微細な穴が空いた多孔質結晶材料は、次世代の化学材料として多方面から注目が集まっている。例えば、化学成分分離・生成プロセスや、揮発性の成分を回収するプロセスにおけるエネルギー消費量を抜本的に解決できる可能性がある。本研究では、そのような多孔質結晶の中でも全く新しい化学結合に基づいた材料を構築するための基本的な原理開拓と、それらの優れた機能を明らかにすることができた。
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