研究課題/領域番号 |
19K15358
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27030:触媒プロセスおよび資源化学プロセス関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
服部 真史 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 特任助教 (10713539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 低温アンモニア合成 / 固体アンモニア合成触媒 / 固体触媒 / 水素化物 / CaFH固溶体 / 低温アンモニア合成用触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請研究では、酸化、窒化、フッ化バリウム(BaO、Ba3N2、BaF2)中に形成した水素化バリウム(BaH2)からの低温度水素脱離に伴う強い電子供与能の発現に着目し、それらの性質を利用した従来の固体アンモニア合成触媒では不可能であった低温度で効率的に動作する固体アンモニア合成触媒の開発を目的とする。 上記触媒として、BaH2が表面に高分散した担体に遷移金属微粒子を担持した担持金属触媒を考えており、具体的には、異種Ba化合物中へBaH2を形成する手法およびBa化合物が表面に高分散した担体の合成手法を平行して模索し、それらを組み合わせることで触媒開発を進める。
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研究成果の概要 |
フッ化バリウム(BaF2)とカルシウムハイドライド(CaH2)を混合、アンモニア雰囲気下で加熱することで高比表面積のフッ化水素化カルシウム(CaFH)を合成することに成功した。このCaFHにおいて、Ca-Fの強い結合力によってCa-Hの結合力が弱まることが知られており、結果CaFHからは50℃程度の低温で水素が脱離し、水素が脱離したCaFHは高い電子供与能を示す。 このCaFH担体に担持されたRu微粒子触媒は、CaFHからの電子供与によって、100℃程度でも高いアンモニア生成能力を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アンモニアは特に農業用肥料の主材料として、世界で最も生成されている最重要化学物質である。その生成量は年間1.8億トンにも達し、アンモニア生成エネルギーは世界の全消費エネルギーの内の1%を占める。今後懸念される人口増加に伴うアンモニア消費量の増大を考えると、エネルギー消費を抑えた効率的アンモニア合成手法の確立は最重要の課題である。 本研究によって得られたアンモニア合成触媒は、固体触媒としては初めて100℃程度の低温からアンモニア合成を可能とする触媒であり、アンモニア合成に係るエネルギーを大幅に低減する可能性を有している。以上の理由から社会にインパクトを与えるものと考えられる。
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