研究課題/領域番号 |
19K15372
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
和田 圭介 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究員 (70828300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 大腸菌 / 実験室進化 / 代謝工学 / グルコース / キシロース / 糖代謝 / 代謝解析 / 物質生産 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物を利用した木質バイオマスからの有用物質生産において、糖の取込速度は目的物質の生産速度を決定する主な原因である。目的物質の生産速度を向上させるには、与えた複数種類の糖を同時かつ大量に取り込める微生物株を創出する必要がある。しかし多くの微生物は、グルコース存在下では他の糖の取込機能が抑制され、グルコースが枯渇するまで他の糖を利用できない。そこで本研究では、グルコースまたはキシロースを単一炭素源として用いた際の取込速度を基準とし、混合糖条件下でもそれらの速度を維持できる株を適応進化実験で創出し、さらにその適応進化株の物質生産能力を代謝レベルで解析する。
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研究成果の概要 |
本研究では、木質バイオマスの糖化液の主成分であるグルコースおよびキシロースについて、両糖を並列かつ高速に取り込める株の創出を目指している。この目標に向けて研究代表者は実験室進化に着目し、まず混合糖の取込能力強化株の効率的なスクリーニングが可能なシステムの構築に着手した。富栄養培地、ならびにグルコースあるいはキシロース含有最少培地における大腸菌野生型株の遺伝子発現量の解析を通して、各糖存在下において誘導的な発現を示す遺伝子群を抽出した。次に、それらの遺伝子のプロモーター配列を推定し、特に顕著な誘導性を示す候補を見出した。さらにそのプロモーターを組み込んだ実験室進化用のプラスミドを構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物による物質生産において、糖などの原料の取込速度は目的化合物の生産速度の上限を規定する。本研究を通して創出を目指している混合糖の取込能力強化株は、物質生産能力の最大ポテンシャルの向上した株として、あらゆる目的化合物の生産宿主として有用だと考えられる。また、本研究において構築している実験室進化システムは、増殖速度と直結していない微生物の能力を強化の対象にできなかった従来の手法とは異なり、任意の微生物の能力を強化の対象にできるため、目的に合わせた汎用性の高い実験室進化システムとしての利用が期待できる。
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