研究課題/領域番号 |
19K15379
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28010:ナノ構造化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
岡田 賢 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(超先鋭研究開発プログラム), 研究員 (90780916)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 走査電子顕微鏡 / 極低温観察 / 含水試料 / エマルション / 二次電子放出係数 / 低温 / ナノ物性 / クライオ / クライオSEM / ナノ粒子 / 界面科学 |
研究開始時の研究の概要 |
水が油に分散したエマルションやナノ粒子の表面には,粒子の運動に追随するごく薄い溶媒の層(束縛溶媒)が存在している.この束縛溶媒はエマルション内部にも存在すると考えられるが,これまで直接観察されてこなかった.本研究では,溶媒層の沸点が通常の溶媒よりも高いことを利用した新規観察法を開発する.粒子やエマルションの分散液を凍結させ,束縛溶媒と粒子以外を除去し,イオンビームにより粒子等を割断することで,束縛溶媒の断面像を電子顕微鏡により観察できるようにする.エマルション内部の油も同様に除去することで,エマルション内部の束縛溶媒も観察できるようにする.
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研究成果の概要 |
溶媒に分散したナノ粒子の表面近傍には、非共有結合により溶媒が数nm程度束縛されていると考えられている。ピッカリングエマルションと呼ばれる、油と水を界面活性剤粒子により分散したものの内部でも同様な溶媒層が存在しても良いと考えられるが、これまで可視化されてこなかった。本研究では、エマルション内部の溶媒層を走査電子顕微鏡により可視化することを目的とし、要素技術の開発を行った。溶媒層厚さの決定には至らなかったが、極低温で動作する導電性接着剤、極低温条件での二次電子放出係数測定システム、非導電性試料の無蒸着観察、エマルション内面の露出手法など観察に必要な要素技術の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで極低温条件での走査電子顕微鏡観察には、試料の固定、導通の確保、像解釈などの問題が残っていたが、本研究を進める上で開発した技術により、これらの問題が部分的に解決され、今後の1 nmスケールでの生物・材料系試料の極低温走査電子顕微鏡観察に向けた基盤が確立された。また、化粧品等に用いられるエマルションの内部構造を可視化することに成功しており、本研究をさらに拡張することで有効成分の徐放などへの応用展開が期待される。
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