研究課題/領域番号 |
19K15400
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28030:ナノ材料科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
寺澤 知潮 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究職 (90772210)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | グラフェン / 表面再構成 / 角度分解光電子分光 / エネルギーギャップ / 熱放射光 / 角度分解光電子分光法 / 熱放射 / その場観察 / バンド構造 / 周期ポテンシャル |
研究開始時の研究の概要 |
次世代半導体として期待されているグラフェンの光物性の変調は,グラフェンを利用した光・電子デバイスの実用に向けて極めて重要である.本研究ではグラフェン支持基板のAuの微細構造の制御によってグラフェンの光物性を変調させることを試みる.グラフェンの光物性の変調を本研究独自の手法である熱放射光学顕微鏡により直接観察し,更に,グラフェンの電子状態の解析とAu微細構造の観察と組み合わせることで,グラフェンの光物性の変調のメカニズムを解明することが本研究の目的である.
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研究成果の概要 |
本研究では次世代半導体材料として期待される原子一層の物質であるグラフェンの光物性を解明することを目的とした。具体的にはHex-Au(001)構造と呼ばれる特異な構造上に形成したグラフェン中で、光物性に大きな影響がある電子バンド構造を観察したところ、グラフェンの電子が基板のAuから大きく影響を受けていることが明らかになった。さらにグラフェンの光物性の一つである熱放射においてもHex-Au(001)構造上では大きな変調が観察された。これらの現象は既存の報告のモデルでは説明ができないこと及びグラフェンとAuが混成軌道を形成したと考えることで説明できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グラフェンもAuも化学的には極めて安定な物質であり、これらの間の大きな相互作用の発見は学術的に重要な成果である。また、原子番号の大きいAuからはグラフェンの電子状態に影響があったことは、グラフェンのスピン状態にも影響を与えていることが示唆される。これはスピントロニクスと呼ばれる次世代デバイス開発の分野にも貢献することが期待でき、本研究の成果は学術的な意義に加えて社会的にも意義があると言える。
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