研究課題/領域番号 |
19K15406
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究 |
研究代表者 |
堤 元佐 大学共同利用機関法人自然科学研究機構(新分野創成センター、アストロバイオロジーセンター、生命創成探究, 生命創成探究センター, 特任助教 (60782422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 深部超解像イメージング / 高速超解像イメージング / 生体イメージング / 先端蛍光顕微鏡 / 蛍光顕微鏡 / 超解像顕微鏡 / 生体超解像イメージング / イメージング / 転写因子 / 促進拡散 / スフェロイド / 2光子顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
転写因子はDNAと結合することで生体機能の発現を制御するタンパク質である。近年、DNA鎖近傍で生じる転写因子の探索挙動「促進拡散」の存在が明らかになり、膨大なDNA情報の中から目的の遺伝子配列を見つけ出すために重要であることが示唆されている。しかし、促進拡散を観察するには、数十ミリ秒の時間と数十ナノメートルの空間を見分ける能力(分解能)を兼ね備えた観察手法が必要であり、生体における促進拡散の意義は未だ十分には明らかになっていない。本研究では、新たな超解像顕微鏡法を導入することで、上記の分解能での観察を生きた細胞で実現し、転写因子の促進拡散挙動の変化を詳細に比べることで、その意義を検討する。
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研究成果の概要 |
微小時空間で生じる生細胞内分子挙動の可視化を目指し、高速かつ深部観察可能な超解像観察法を確立した。画像解析による新規超解像法SRRFを駆使し、研究グループが保有する先端2光子励起蛍光顕微鏡に適用することで、数十枚/秒での高速観察と、ミリメートルオーダーの生体・組織深部での超解像観察を実証した。また、研究期間中に生じた新型コロナ情勢に対応するため、共同研究者とリモート観察システムを構築し、海を越えた超解像観察を実証した。これらの成果を複数の学会・国際会議で発表し、2021年度には学会発表賞を授与された。また、本研究で得られた知見を活用した共同研究成果として、共著論文3報を海外学術誌に発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で確立された高速・深部超解像観察法は、転写因子の高速DNA認識動態の観察のみならず、脳をはじめとする生体組織、臓器、3次元培養細胞など、既存超解像顕微鏡法では観察困難な対象における微細分子挙動や形態観察に適用でき、生命科学研究の発展に貢献する。また、本研究に関連して得られた細胞スフェロイド培養法やその2光子観察法の知見は薬剤活性の評価モデルとして有用であり、国際共同研究を含む複数の研究に応用されている。さらに、本研究で実証したリモート顕微鏡観察の系は、感染症蔓延下の対応だけではなく、遠隔地に住む研究者が先端顕微鏡観察の機会を得られる点から、海外顕微鏡共用施設の運営者からも注目されている。
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