研究課題/領域番号 |
19K15408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28040:ナノバイオサイエンス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森廣 邦彦 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70713890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | DNAナノテクノロジー / 核酸化学 / 生体直交型反応 / Staudinger還元 / マイクロRNA / 抗がん剤 / 化学療法 / HCR / 蛍光 / 診断薬 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞内マイクロRNA (miRNA) に応答して薬剤を多重放出するがん選択的なDNAナノ医療デバイスの開発を行う。がん細胞で特異的に発現しているmiRNAはがん細胞を見分けるマーカー分子としての利用が期待できるが、アクセシビリティの低さがその妨げとなっている。そこで、miRNAの高感度センシングにDNAナノテクノロジーを、薬剤の放出にはホスフィンによるアジドのStaudinger還元を利用する。本デバイスは、副作用の小さい安全・安心ながん化学療法やmiRNA発現パターンに応じたテーラーメイド医療への貢献が期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究ではがん選択的な化学療法を開発するべく、DNAナノテクノロジーの1種であるハイブリダイゼーション連鎖反応 (HCR) と、代表的な生体直交型反応であるStaudinger還元を組み合わせたシステムを構築した。このシステムは特定のmiRNAのインプットによって蛍光分子などの様々な低分子化合物を放出することが可能であり、がん選択的な化学療法に非常に有用であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では従来のがん化学療法の最大の欠点の1つである副作用に着目し、それを最大限抑制することが可能な分子システムの開発を行った。研究の結果、がん細胞の目印の1つであるマイクロRNA (miRNA) に応答して選択的に低分子化合物を放出して活性化するDNAシステムの構築に成功した。本成果は健康な細胞への毒性を大きく減弱させた、安心安全ながん化学療法に発展していくと期待される。
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