研究課題/領域番号 |
19K15421
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分28050:ナノマイクロシステム関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
石井 佑弥 京都工芸繊維大学, 繊維学系, 准教授 (30633440)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ナノマイクロファイバ / 圧電 / 極細繊維 / エレクトレット / 電界紡糸 / エレクトロスピニング / 電気機械特性 / ポリマー / 圧力センサ / ポリスチレン / ナノ・マイクロファイバ / 高分子 / ポリマ― / ファイバ / ポリマ |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者らのこれまでの研究により,フィルムでは通常圧電性を示さないポリマが,エレクトロスピニング法によるナノもしくはマイクロファイバ化により,高い逆圧電特性を発現することを世界に先駆けて明らかにした.しかし,この動作メカニズムは未だ解明されていない.そこで本研究課題では,「エレクトロスピニング法で作製したポリマナノ/マイクロ圧電ファイバの動作メカニズムの解明」を研究目的として研究を遂行する.具体的には,以下の2段階の目標を設定し研究を進める. [1] そもそもの「なぜ圧電性が発現したか?」の解明 [2] 高度の圧電特性(圧電d定数)が得られた原因の解明
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研究成果の概要 |
フィルムでは圧電効果を示さないポリマーが、電界紡糸のワンステップによるナノマイクロファイバ膜化のみにより、圧電ポリマーの圧電特性に酷似した疑似圧電特性を示すことを初めて明らかにした。特に、廉価な汎用ポリマーであるアタクチックポリスチレンの電界紡糸ファイバ膜は、優れた疑似逆圧電特性と疑似正圧電特性を示した。さらに当該ファイバ膜が、上側付近に正電荷が偏って担持され、下側付近に負電荷が偏って担持された強誘電エレクトレットであることを明らかにし、これが上記特性の発現メカニズムの基本部分であることを明らかにした。また優れた疑似圧電特性は、良好な帯電と非常にやわらかい特性に由来するものと結論付けた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、これまで世界的に未解明であった「フィルムでは圧電性を示さないポリマーを電界紡糸法によりナノもしくはマイクロファイバ膜化することにより、なぜ極めて高い疑似圧電性が発現したのか?」という学術的問いに始めて答えを見出した。また本研究成果は、例えば高価な圧電ポリマーに限定されずに,安価な汎用ポリマーで高感度な圧力センサや発電素子を製造できる可能性を示した。加えて、本研究の電界紡糸ナノマイクロファイバ膜は、通常の圧電材料に必要なポーリングなどの後処理を必要としないため、作製プロセスの省工程化や省エネルギー化が期待される。
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