研究課題/領域番号 |
19K15430
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
飯浜 賢志 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (70826073)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | スピン流 / 磁化ダイナミクス / スピン移行トルク / スピン異常ホール効果 / フォトスピントロニクス / 光誘起スピン流 / スピン軌道トルク / 光スピントルク / 磁化ダイナミクス計測 / 磁気緩和 / 異常ホール効果 / スピンホール効果 |
研究開始時の研究の概要 |
電流からどれだけ多くまたどういったスピン流を生成するかを理解することが重要である。非磁性重金属のスピンホール効果を用いたスピン流生成ならびにそれを用いたスピン軌道トルクは多く研究がなされてきたが、磁性体のスピン軌道相互作用を利用したスピン流生成はあまり理解されていない。特に磁性体を用いることで、非磁性体のスピンホール効果ではできなかった膜面垂直方向を向いた「垂直スピン」を有するスピン流を生成することが期待される。本研究では磁性体を用いることで「垂直スピン」を有するスピン流を観測し、そのスピン流変換効率の定量的評価を行う。
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研究成果の概要 |
低消費エネルギー駆動の磁気メモリの実現のため、垂直磁化薄膜の磁化を低電流で制御するための研究が世界中で行われている。昨今研究されているスピンホール効果を利用した手法は、垂直磁化の低電流制御には適していなかった。近年、磁性体のスピン軌道相互作用を利用したスピン流生成はスピンの方向を制御できることが報告され、垂直磁化の低電流制御を実現するための一つの手法となり得ることが示された。しかし初等的な強磁性体におけるスピン生成効率や垂直磁化の磁気緩和制御の報告は皆無であった。本研究では初等的強磁性体鉄コバルト合金のスピン流生成効率を明らかにし、垂直磁化の磁気緩和制御を観測するための光学的手法の開拓をした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Society 5.0の実現のため、サイバー空間ではビッグデータのデータ解析を行う必要があり、その際に必要となる情報をエネルギー効率的に蓄え、書き換える仕組みが必要である。薄膜磁石は大容量かつ低消費エネルギーな不揮発メモリに適していると考えられている。情報を記録するためナノ磁石の方向を効率的に制御する必要があり、そのため物質中で電流から「どのくらいの効率で」また「どのように」スピン流ができるかを調べることが重要である。この研究は物性物理学に貢献するとともに、磁気メモリ研究コミュニティに対しても貢献するものと考えられる。
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