研究課題/領域番号 |
19K15503
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 遥一 京都大学, 理学研究科, 助教 (70837319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 液体の超高速光電子分光 / 高次高調波発生 / フィラメンテーション四光波混合 / 溶媒和電子 / 液体光電子分光 / メタノール / 溶媒和ダイナミクス / 超高速液体光電子分光 / 80 nm極端紫外超短パルス / 光異性化反応 / 液体シート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では液相中で起こる光異性化反応を新奇な分光法である超高速液体光電子分光法によって観測する。エタノール溶液中のアゾベンゼンのcis-trans異性化反応を研究し、光励起によって直接励起されない”暗状態”も含めた反応の全貌を明らかにすることを目的とする。目的を達成するために80 nmの極端紫外超短パルス光源を用いるが、信号が微弱であると予想されるため、液体シートの技術を導入し、十分な信号強度を確保する。高光子エネルギーパルスによる液相中の光異性化の観測を通して、超高速液体光電子分光による光反応研究の方法論を確立するとともに、溶液化学の更なる発展に寄与する。
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研究成果の概要 |
高次高調波発生法で発生させた極端紫外パルス光源を応用した液体の超高速光電子分光によって、電子の溶媒による散乱の影響を最小限に抑制して、溶媒によって安定化された電子である溶媒和電子の正確なエネルギー分布を観測し、従来の紫外光電子分光の結果から溶媒による散乱の結果を取り除くスペクトル回復法を開発した。また、フィラメンテーション四光波混合を用いて発生した真空紫外パルス光によってメタノール、水中で起こる溶媒和電子の発生、溶媒和、および再結合による消失過程を実時間観測し、原著論文としてその成果を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
極端紫外および真空紫外域の光子エネルギーの高い光パルスを光電子分光に応用することによって、液体の光電子分光で常に問題になる電子の非弾性散乱を抑制する、もしくはその効果を取り除く方法論を提案したことは、溶液中で起こる化学反応を、電子エネルギーの観点から、より明確に議論することを可能にし、特に溶液化学の初期過程の解明に寄与する。
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