研究課題/領域番号 |
19K15506
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
長嶋 宏樹 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (60814027)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 電子スピン共鳴 / 一重項分裂 / 三重項 / 五重項 / スピン化学 / 光化学 / シングレットフィッション / 三重項ー三重項消滅 / パルス電子スピン共鳴 / 一重項分裂(singlet fission) / 電子スピン共鳴(EPR/ESR) / スピン変換 |
研究開始時の研究の概要 |
一重項分裂(Singlet Fission, SF)は一つの一重項励起子から2個の三重項励起子を生成するユニ ークな反応である。SFは 光デバイス効率を飛躍的に向上させる潜在性を秘めた多重量子現象である。SFはスピン許容 遷移であり、一重項状態にある励起子ペア1(TT)を形成する。近年、その直後のスピン変換により五重項状態5(TT)が形成されることが発見された。本研究では、SF機構の理解と効率的な SF材料の創出に不可欠な、スピン変換機構の解明を目指す。そのために、時間分解、パルス電子スピン共鳴法による五重項状態の直接検出、構造解析と量子化学計算とを組み合わせ、多重励起子の 生成に関わる中間状態の構造などの反応機構の解明に取り組む。
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研究成果の概要 |
一重項分裂(Singlet Fission, SF)1は一つの一重項励起子から2個の三重項励起子を生成するユニークな反応である。本研究では、一重項分裂機構の理解と効率的な一重項分裂材料の創出に不可欠な、三重項励起子対におけるスピン変換機構の解明を目指し, 時間分解電子スピン共鳴計測を行い, 一重項分裂を引き起こす分子の立体配置とその構造変化が, スピン変換と密接に関わっていることを明らかにした。本研究は一重項分裂における構造の柔軟性の重要性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
太陽電池は, 現代のエネルギー問題を解決しうる切り札として知られる。太陽電池の効率にはショックリークワイサーリミットとして知られる, 理論上の限界が存在するために, その性能向上や実用面には大きな制限がかかっていた。シングレットフィッションはそのような一つの光子から二つの三重項を生み出す, 太陽電池の限界を超えられる反応である。本研究では一重項分裂で生じた三重項のダイナミクスを観測し, 構造と関連づけ, 分子の柔軟性が逆反応を防ぐスピン変換を引き起こすことを明らかにした。
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