研究課題/領域番号 |
19K15523
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉川 幸太 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (60745503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | フラーレン / ナノ粒子 / 光アンテナ分子 / 光線力学療法 / シクロデキストリン / ホストゲスト化学 / 一重項酸素 / ポルフィリン / 金ナノ粒子 / 光アンテナ効果 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成を模倣した光捕集部位 (光アンテナ) を持つフラーレンナノ粒子を合成し、がん、リュウマチ、および加齢黄斑変性 (目の病気) などで用いられる光線力学療法における光増感材 (光線力学薬剤) の研究開発を目的とするものである。光アンテナの導入により、光線力学療法に用いられる長波長の光にたいする高い光線力学活性を達成する。さらに、フラーレン誘導体の利用や高分子化合物との複合化によりフラーレンナノ粒子の細胞への導入効率やがん細胞への選択性を最適化し、実用可能な光線力学薬剤の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では光捕集効果を持つアンテナ分子としてポルフィリン誘導体およびフタロシアニン誘導体を含有したフラーレンナノ粒子を合成した。結果、3種類のポルフィリン誘導体および1種類のフタロシアニン誘導体を含有したフラーレンナノ粒子を世界で初めて合成することに成功した。これらのアンテナ分子含有フラーレンナノ粒子はアンテナ分子を含まないフラーレンナノ粒子に比べて、光照射時の一重項酸素発生量が10から31%増大することが明らかになった。さらに、種々のフラーレン誘導体を用いたナノ粒子の合成および金ナノ粒子/フラーレン複合材料の合成にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでにフラーレンナノ粒子を合成する研究は世界各地で行われているが、実用化に向けての道筋は示されていなかった。本研究において、シクロデキストリンと複合化したフラーレンが水中で不安定化しナノ粒子を形成する際に、さまざまな分子を含有することを世界で初めて明らかにした。また、ポルフィリン誘導体はフタロシアニン誘導体を含有したフラーレンナノ粒子は、光照射による一重項酸素発生量が増大することも明らかになった。これらの成果は水中での取り扱いが難しいフラーレンをナノ粒子の形で応用する上で学術的にも産業的にも重要な技術になると考えられる。
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