研究課題/領域番号 |
19K15551
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷井 沙織 東北大学, 薬学研究科, 助教 (20792295)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アゾ化合物 / ジホスフィン化合物 / ロジウム触媒 / 多縮環芳香環エーテル / 酸触媒 / 触媒反応 / N=N結合 / P-P結合 / 遷移金属触媒 / ヒドラジンN-N結合 / ジアゼンN=N結合 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒドラジンN-N結合やジアゼンN=N結合を開裂・変換し、触媒のみを用いて N-X (X = C, N, P, S… etc) 結合を形成する反応を開発する。加えて、多様な含窒素有機化合物の合成を行う。N=NおよびN-N結合の既知の変換反応は、酸化・還元反応あるいは置換反応がほとんどである。すなわち、ヒドラジンからアミン、あるいはジアゼンからヒドラジンに変換した後、酸化あるいは置換反応等により多様な含窒素有機化合物へ変換することが行われていた。本研究ではこれらから直接N-X(X = C, N, S, P…etc)結合を形成する新規触媒反応を開発する。あわせて多様な含窒素化合物の合成も進める。
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研究成果の概要 |
アゾ化合物中の N=N 結合からアミンを経由せず直接 N-X (X = C, heteroatom) を合成できれば、合成経路の簡略化及びこれまで合成困難であった化合物の新規合成法につながる。今回、遷移金属触媒及び水素化ホウ素ナトリウム存在下、アゾベンゼンとジホスフィンを反応させると、アゾベンゼンの N=N 二重結合にジホスフィン P-P 結合の一方が付加した化合物を与えることが分かった。P-N-N-Hユニットを有する化合物の合成法は限られており、遷移金属触媒的には初めての例である。合わせて、ロジウム触媒複素環交換反応の前駆体として、多縮環ジアリールエーテルの簡便合成法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アゾベンゼン誘導体 N=N 結合の遷移金属触媒的変換反応は比較的少なく、これらは配向基として利用されることが多かった。遷移金属触媒的にこれを変換でき、N-P 結合を合成できたことは、この結果を皮切りに、N=N 結合の新規変換反応につながる可能性を示すと考えられる。また、アミンを経由しない N=N 結合から N-X (X = C, heteroatom) 結合への触媒的な変換は、省エネルギー的な反応であるため、環境調和型の反応といえる。加えて、この反応を発展させることで、N=N 結合に類似した結合を有する窒素分子の活性化反応にもつながると考えている。
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