研究課題/領域番号 |
19K15559
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高橋 講平 東京工業大学, 理学院, 助教 (00756108)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | カルベン / 金属配位子協同作用 / ロジウム / C-H結合活性化 / 不活性結合活性化 / ピンサー型錯体 / 金属配位子協働作用 / 遷移金属錯体 / 有機合成 / 触媒反応 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では求核的な中心金属と求電子的な配位子の協働作用を利用して、一般に不活性で変換手法が少ないアニリン、アニソール、フルオロベンゼン等の結合を金属上にアリール基、配位子上に脱離基が乗る形式で切断し、これにより生成する活性種を活用した触媒的な合成反応の実現を目指す。用いる金属触媒として求電子的な炭素配位子であるアルコキシカルベン、π-アルケン、π-アリルをピンサー構造で固定した新たな遷移金属錯体を合成し、その反応性の探求を通じて目的の達成を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では求核的な金属中心と求電子的な配位子との協同作用を生かした新規素反応過程ならびに触媒反応の開発を目指し、検討を行った。今回、かルベン炭素が求電子部位として作用することを期待し、ピンサー型アルコキシカルベン配位子を有するイリジウム錯体を新たに合成、その反応性を探索し、2,6-ビス(ヒドロキシピリジン)から生じるアルコキシドがカルベン中心に付加することを見出した。また、さらに高い求電子性を期待してピロール骨格を有するピンサー型カルベン配位子を有するロジウム錯体を新たに合成しその反応性を調べたところ、光照射下でジメトキシエタンのC-O結合活性化を進行させることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回新たに設計・合成した錯体上で、カルベン中心が求電子的に作用し、アルコールが付加することを観測できた。また、カルベン中心がより高い求電子性を有すると期待される新たな錯体を利用することで、C-O結合の活性化に成功した。求電子的配位子中心を活用した結合活性化の前例は少なくこれを達成できたことは意義深い。今後、本素反応過程の適用範囲や触媒反応等への展開が期待される。
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