研究課題/領域番号 |
19K15565
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
浅子 壮美 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 上級研究員 (80737289)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | モリブデン / ルテニウム / カルボニル化合物 / シクロプロパン / 脱酸素 / カルベン / 炭素-水素結合切断 / 炭素-炭素結合切断 |
研究開始時の研究の概要 |
ジアゾ化合物は有機合成において有用な活性種であるカルベンを発生させるためによく用いられる前駆体である.しかしながら,ジアゾ化合物のもつ潜在的な爆発性や毒性のため,安定すなわち不活性な化合物をジアゾ代替とする反応の開発が望まれている.本研究では不活性結合の二重切断により生成する金属カルベン種を基盤とする全く新しい物質変換反応開発を目指す.
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研究成果の概要 |
ジアゾ化合物は、光、熱、金属との相互作用により容易に窒素分子を放出することから、有機合成における有用なカルベン前駆体の一つである。しかしながら、ジアゾ化合物のもつ潜在的な爆発性や毒性に対する懸念から安定な化合物をジアゾ代替とする反応の開発が望まれている。本研究では、化学的により安定な化合物からの金属カルベン種の発生を起点とする新規物質変換反応を開発した。金属/キノン触媒を用いることで、カルボニル化合物の脱酸素反応や逆シクロプロパン化反応を経由した種々のジアゾフリー合成反応が進行した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機合成化学において一般にカルボニル化合物は求電子剤として利用され、C=O二重結合のうちより弱いπ結合のみが切断される。シクロプロパンもC3ユニッとしての合成利用が大多数を占め、C-C単結合は1本のみ切断される。それに対し本研究では、これらの化合物を常識と異なるC1カルベン源として利用することに成功した。不活性結合の二重切断という未開拓分野を切り拓いた点で基礎科学的に重要であり、爆発性や毒性をもつジアゾ化合物を入手容易な安定化合物で代替する点で意義深い。
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