研究課題/領域番号 |
19K15568
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
小嶺 敬太 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 助教 (70838268)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 天然物合成 / ビシクロ骨格 / ラジカル反応 / セスキテルペン / テルペン |
研究開始時の研究の概要 |
ビシクロ骨格を持つ天然物は数多く存在し、様々な生物活性を示すことが報告されている。本研究は、新規ラジカル反応を用いたビシクロ[3.3.1]ノナン骨格構築法を開発するとともに、本法を用いた生物活性天然物の合成を行うことを目的とする。本反応は有機合成化学上前例がなく、短工程かつ温和な条件下で複雑に縮環したビシクロ[3.3.1]ノナン骨格が構築できることから、高度に縮環した天然物の高効率的な合成手法となりうる。
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研究成果の概要 |
ビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を持つ天然物は数多く存在し、様々な生物活性を示すことが報告されている。ペニシビランは、新規な縮環構造を持つセスキテルペンであり、植物炭疽病菌に対し選択的な抗菌活性を示す。研究代表者は、前例のないラジカルの骨格転位反応を用いた革新的なビシクロ[3.3.1]ノナン骨格構築法の開発と、本法を用いたペニシビランの合成法の確立を目的に研究を行った。種々の有機反応を駆使し、効率的に鍵中間体を合成した。その後、鍵となるラジカルの骨格転位反応を検討し、興味深い反応性の知見を得た。また本研究を通して、新たな縮環構造を持つ化合物の合成法を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多置換ビシクロ[3.3.1]ノナン骨格を持つ天然物の多くは、魅力的な生物活性を有しているが、その高度に縮環した構造のため効率的な合成法は確立されていない。創薬研究および農薬の研究において、毒性や化学的不安定性などの理由からそれらの軽減、さらには作用増強のための構造改変が求められた場合、全合成研究を通しての効率的合成法の確立が極めて重要となる。そのため、効率的なビシクロ骨格構築法の開発と天然物の合成法の確立を目的とする本研究は、大変意義深い。また、本研究の鍵となるシクロブチルメチルラジカルの開環-閉環を伴う骨格転位の報告は皆無であり、本研究の成就は有機合成化学上、大きな意義を持つ。
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