研究課題/領域番号 |
19K15571
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小椋 章弘 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 講師 (70707843)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 赤色LED / 有機合成化学 / ラジカル / 触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究においてはエネルギー変換効率や安全性に優れた赤色LEDをエネルギー源として用いた、新しい有機化学反応の開発を行う。有機化合物の骨格をなす炭素-炭素結合の生成のみならず、これを切断したり、酸素など他の原子の着脱を赤色光をエネルギー源として自在に行うことを目指す。さらに、青色光と赤色光を使い分けることで、医薬品などに含まれる複雑な分子骨格を一挙に構築することを試みる。
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研究成果の概要 |
赤色光駆動型Barton-McCombie反応とBarton脱炭酸反応の開発を行った。本反応は幅広い構造を有する基質に適用可能であり、様々なヘテロ原子を脱炭酸的に導入することにも成功した。条件はいずれも安価な触媒存在下での室温程度での赤色LED照射であり、既存のラジカル反応と比較しても温和でエネルギー消費量も少ない。また、脱炭酸的なGiese反応により、炭素-炭素結合の切断と生成を一挙に行うことにも成功した。得られた誘導体をワンポットで青色光駆動反応に付すことにより、波長選択的な有機化学反応を起こす予備的知見を得ることもできた。並行して、様々な反応機構解析を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年盛んに研究されている可視光駆動光反応は、目的の反応が進行するか否かでスクリーニングを行ってきたため、高エネルギーの青色光を用いることが半ば前提であった。赤色光は低コストや高エネルギー変換効率、高い溶媒透過性や安全性といった明確な利点にも関わらず見過ごされてきた。本研究において開発した様々な赤色光駆動光反応は、この未開拓のエネルギー源である赤色光の可能性の一端を引き出し、持続可能な社会に向けた一歩を形作るものである。
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