研究課題/領域番号 |
19K15575
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
白井 智彦 高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (80784644)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 脱カルボニル化 / カチオン性イリジウム / 不斉ヒドロアシル化 / 不斉ヒドロアリール化 / 脱カルボニル型不斉アリール化 / ヒドロアシル化 / 炭素-水素結合活性化 / イリジウム / カルボホルミル化 / アルケン / C-H結合活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
アルデヒドの炭素-炭素結合切断を伴うアルケンの不斉カルボホルミル化反応は、医薬品などのファインケミカル分野で重要な光学活性アルデヒドの合成法となる。しかし、報告例が少ないだけでなく触媒設計に関しても未知な点が多い。申請者は最近、カチオン性イリジウム/二座ホスフィン触媒を用いるとアルデヒドの脱カルボニル化が進行することを見出した。この知見を活かし、本研究では、カチオン性金属触媒による脱カルボニル化を利用した光学活性化合物の高原子効率型新規合成法を開発する。
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研究成果の概要 |
カチオン性イリジウム錯体がアルデヒドの脱カルボニル化に活性を示すことに着目し、カチオン性イリジウム触媒による脱カルボニル化を基盤とした不斉反応の開発を行った。Segphosを有するカチオン性イリジウム触媒系において2-ケトアリールアルデヒドの分子内不斉ヒドロアシル化反応が高エナンチオ選択的に進行し、光学活性フタリド生成物を与える事が明らかとなった。また、架橋バイノール骨格を持つ二座ホスホロアミダイト配位子S-Me-BIPAMを有するカチオン性イリジウム触媒を用いると、ビシクロアルケンへの芳香族アルデヒドの脱カルボニル型不斉アリール付加反応が高収率かつ高エナンチオ選択的に進行することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
触媒的なアルデヒドの脱カルボニル化反応は広く研究され、様々な応用研究が進められているが、脱カルボニル化の過程で生じる有機金属錯体を不斉反応に利用した例は限定的である。特に、脱カルボニル型の不斉炭素-炭素結合形成反応はこれまでに報告されていない。本研究では、カチオン性イリジウム触媒による芳香族アルデヒドの脱カルボニル化で生じるアリール金属錯体を、ビシクロアルケンの不斉ヒドロアリール化反応に利用することに成功した。有機金属試薬の代替としてアルデヒドを利用した不斉炭素-炭素結合形成反応は、医農薬分野で有用な光学活性化合物合成に新たな合成戦略を与えると期待できる。
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